Lost People

Lost 23 ページ23

大晴の次は、小島。









俺の前からまた1人、仲間が消えた。









末澤｢……何でや？｣







俺は佐野と話した後に、

生徒会室へと入ったけれど。





そこに小島はおらんくて、

正門がおって。




正門は俺が知らん後輩に

副会長の引き継ぎをしていた。








━━━副会長は、佐野やのに。









小島からもらったカードがないのは

俺が無くしたんじゃなくて

小島の存在がないから。




そして大晴の時と同じように、

俺のスマホからは

小島の記録が全て消えていた。









末澤｢意味わからん……何やねん……｣









大切な仲間が2人いなくなっても、

周りの人間は何も変わらなくて、

2人がいないのが当たり前のように。





また、俺だけが覚えてる。






また、俺だけが喪失感に襲われてる。









小島と初めて出会ったんは生徒会。



最初から個性が強すぎて、

どう扱ったら良いんやろって

めちゃくちゃ悩んだな。





小島『誠也くんって呼びます』




あいつは俺を1度も先輩とは

呼んだことなかったな。





小島『誠也くん、早よして』

末澤『あ？！』

正門『ケンカせんで！な？』




後輩のクセに態度がデカくて、

ケンカになりそうだった所を

正門が止めてくれたよな。





小島『誠也くん、俺がやります。
ダメって言ってもやります』




俺が体調を崩して生徒会の仕事が

出来そうになかった時。

小島がいち早く察して、

俺の仕事を引き受けてくれた。





小島『メシ行きましょ』

末澤『俺のオゴリやろ』

小島『ゴチになりまーす！』




毎回メシおごらされたけれど、

いつも美味そうに何でも食うから

何やかんやで嬉しかったな。





小島『何で俺の膝乗るんすか』

末澤『座り心地ええから』

小島『何で抱きつくんすか』

末澤『抱き心地ええから』




俺は小島の膝の上にいるのが

めちゃくちゃ好きで。

一時期は怪しい関係じゃないかと

周りから疑われたな。








変なとこ生意気で、

何考えてるかわからんくて、

かと思えば急に真面目になって、

いつも振り回されてた。







俺はそんな小島との関係が、

文句を言うことはありつつも

居心地が良くて好きだった。









でも、もう何もない。






小島とは、もう会えない。









俺の中での小島との思い出は









もう増えることはないんや。

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