Lost 17 ページ17
試験前、最後の土曜日。
末澤｢小論文対策……面接対策……｣
今、俺は駅前にある書店で
受験の対策本を探している。
この姿をAに見られたら
｢今さら買っても遅くない？｣
って声がまた聞こえそうやけど。
末澤｢この辺り良さそうやな｣
手頃な参考書を見つけて、
本棚から抜き出す。
その時、俺の肩をつんつんと
誰かが突っついてきた。
末澤｢ん？………おぉ、正門｣
正門｢受験の参考書？｣
末澤｢まぁな。試験来週やけど。
正門も参考書買いに来たん？｣
正門｢俺はこれ買いに来たんよ｣
正門は｢これ｣と言って1冊の本を
俺に見せてきた。
それは、ギターのスコアブック。
末澤｢あれ？受験終わるまでは
ギター封印するって言うてなかった？｣
正門は私立大志望で、
一般入試を受験する予定。
受験が一段落するまでは
大好きなギターを封印して
合格したら心置きなく
かき鳴らすって言うてたんやけど。
正門｢そうやったんやけどなぁ……
誰から聞いたかは忘れたんやけど
ギターかベースか教えてくれへん？
って言われたの思い出して……｣
俺は正門の言葉を聞いて、
思わず目を丸くした。
確か、その時俺も近くにおった。
正門に教えてくれって言ったんは、
ベースを始めたばかりの大晴やったはず。
正門｢誰やったかな……思い違いかも｣
正門はスコアブックを眺めながら
首を傾げて俺に背を向ける。
末澤｢正門？｣
正門｢思い出せへんし、やっぱ戻してくる｣
末澤｢い、いやいやいや！買お？！｣
正門｢え？何で？｣
末澤｢正門が買わないんやったら、
俺が買うわ！それ、くれ！｣
正門｢誠也くん、ギターやらんやん｣
末澤｢やらんけど思い当たるヤツおるから！｣
正門｢そう？じゃあ俺買ってくるから
その子に渡しといてくれへんかな？｣
末澤｢ん！正門ありがと｣
記憶が消えるんやなかったんか？
思い出す事もあるんか？
正門｢………はい、誠也くん｣
末澤｢悪いな。お礼に昼メシおごる｣
正門｢え、別にええのに｣
末澤｢ええからええから！｣
俺はあることを思いついて、
正門を昼食に誘った。
━━大晴が存在していたという証を探すために。
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(名前)(プロフ) - ミコト (2020年1月1日 17時) (
レス) id: 2986b26a99 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - Sakuraさん» もちろんですっ！楽しみに待ってますね(*´ω｀*) (2019年10月8日 7時) (レス) id: 9a27e5dd2d (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 咲良さん» コメントありがとうございます！とてもとても嬉しいです……！夜間の更新ばかりでご迷惑をお掛けしてしまいますが、ぜひこれからも楽しみにお待ち頂けたら嬉しいです！よろしくお願いします☆ (2019年10月8日 1時) (レス) id: be91c59430 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - すっごく面白いです^^今1番更新を楽しみにしてる作品かも...！更新頑張ってください(*´ω｀*) (2019年10月7日 7時) (レス) id: 9a27e5dd2d (このIDを非表示/違反報告)
みぃ☆ - はい！勿論、読み続けますっ！更新、頑張ってください☆ (2019年10月6日 16時) (レス) id: 38f9af8661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sakura | 作成日時：2019年9月19日 0時
