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Lost 11 ページ11

午後からの授業なんて、

何一つ耳に入っちゃいない。







俺はとにかく早く放課後になれ、

と願いながら教室の壁時計を睨んでいた。









━━━━キーンコーン、カーンコーン。









終業のチャイムが鳴り響いたと同時に、

俺はカバンを持って一目散に教室を出る。








そして、隣のクラスのAの元へ

生徒たちの合間を縫いながら向かう。









末澤「Aっ!」

A「わ、ビックリした……誠也、どうしたの?」

末澤「なぁ、一昨日のケーキ。

あれって誰のために作った?」







変な質問をしてるのは分かってる。

けど、これでAが

「大晴くんに決まってるでしょ」

って答えてくれるんだったら。




俺は夢を見てたんじゃないって。

正門やリチャが仕掛けた

盛大なイタズラなんやって。





そう思えるんじゃないかって。









A「……誠也のため、じゃないの?」









Aは、怪訝そうな表情で、

俺が聞きたくなかった言葉を発した。









末澤「何でや。違うやろ……」

A「え?ちょっと、誠也?」









俺はこみ上げてくる何かを堪えきれず、

Aに背を向けて立ち去る。







生徒たちの声でガヤガヤと賑やかな廊下は

いつも通りだけど俺にはうるさい。




涙で滲む視界の中に、大晴の姿が

不意に見つけられたら良いのにと

思っても願いは叶わなかった。









末澤「きっと、今が夢なんや、きっと」








俺は下駄箱で靴を履き替えながら

うわ言のようにひたすら呟く。






末澤「きっと、夢……………」









「あ、誠也くん」









声が聞こえた方へと顔だけ動かすと

そこには佐野が立っていた。






佐野「誠也くん?何かあったんですか?」






佐野が心配そうに俺の顔を覗く。



俺は首を横に振りながら涙を拭い、

「大丈夫や、大丈夫……」と答えた瞬間に。









━━━そうや。




━━━佐野やったら、何か知っとるかも。









俺はある事を思い出した。









佐野が話していた、闇サイト。









末澤「佐野。一緒に帰ろか」

佐野「あ、はい。帰りましょ」









佐野に、もっと詳しく聞いてみよう。









もしかしたら大晴はほんまに、









闇サイトに消されたんかもしれんから……。

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(名前)(プロフ) - ミコト (2020年1月1日 17時) (レス) id: 2986b26a99 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - Sakuraさん» もちろんですっ!楽しみに待ってますね(*´ω`*) (2019年10月8日 7時) (レス) id: 9a27e5dd2d (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 咲良さん» コメントありがとうございます!とてもとても嬉しいです……!夜間の更新ばかりでご迷惑をお掛けしてしまいますが、ぜひこれからも楽しみにお待ち頂けたら嬉しいです!よろしくお願いします☆ (2019年10月8日 1時) (レス) id: be91c59430 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - すっごく面白いです^^今1番更新を楽しみにしてる作品かも...!更新頑張ってください(*´ω`*) (2019年10月7日 7時) (レス) id: 9a27e5dd2d (このIDを非表示/違反報告)
みぃ☆ - はい!勿論、読み続けますっ!更新、頑張ってください☆ (2019年10月6日 16時) (レス) id: 38f9af8661 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sakura | 作成日時:2019年9月19日 0時

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