暁の入れ替わり BL tragedy

tragedy 第6話 逃げ足だけは日本一 ページ7

「はぁ…はぁ…」



俺はどこに逃げてるのだろう？



屋上？



立ち入り禁止や



家？



誰もいないところに言ったらさらに逃げる



そう思ってきたのは



「いらっしゃいませ」



「…1人…ええか？」



カラオケ店だった



フリータイムで今は入れるらしい



店員に学校は？という目で見られたけど無視



部屋に入って曲の予約する



「羽を折った蝶は君に墜ちてゆく




もう戻れない



世にも不思議な物語」



歌を歌い続ける



一通り終わったところで携帯が鳴った



相手を見ると番号しか書いてなかった



「はい」



『関口くん!!どこいるの!!逃げ足…早くない？』



相手は今澤や



なんであいつは俺に構うんやろうな



『学校…どうするの？』



「どうするって…サボりや」



『いいの!?成績とか…』



「中学生は成績悪くても義務教育やから、進級出来んねん」



まぁ…受験には響くけどな



『…で、どこいるの？』



「どこでもええやろ。…なんでそもそも電話するん？」



俺、番号教えてないで



『えっと…』



しばらく間が空く



「…はぁ。大方、室とかに電話しろって言われたんやろ？いいか、俺のことはほっといてくれ」



俺はそこまで言うと電話を切って、電源も切った



「愛されたいとか



愛してたいその願いは終わらない



少しずつ形変えるだけ」



「見つけた」



歌っているとドアが開かれて今澤が入ってきた



「…ホンマにホラーやんけ」



「必死で探したんだよ」



そう言ってほっぺを膨らませる



「なんで関口くんはそんなに他人を拒絶するの？」



俺は歌を辞めた



「…俺な、親友おってん」

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