暁の入れ替わり BL Afterward

Afterward 第38話 4人へ ページ38

お先真っ暗？




「どういうこと？」




俺が聞くと岩橋は息を荒くして答える




「そのまんまの意味!!…俺はね、親がいないの」




知っている




前に教えてくれたのだ




今は、孤児院でその中のお兄ちゃんとして生活しているとも




「小さい頃に親に捨てられて、親同然の孤児院も来月末には取り壊しだよ!?俺はこれからどこに行けばいいの!?」




「取り…壊…し？」



俺はつい、聞き返してしまう




「そもそも高校生になったら孤児院を出ていかなくちゃいけない。そう考えると俺がいつでもいるのはおかしいんだよ」




岩橋の目には怒りが主に見える




…だけどその奥には




「孤児院の人も思ってるだろうね!!いい加減出てけってさ!!」




とてつもなく深い悲しみが見える




そんなことない




俺がそう言おうとすると




「そんなことない!!岩橋くんは孤児院先生に逆に感謝してる!!」




ドアの方から声が聞こえた




振り向かなくてもイントネーションでわかる




「康二…佐久間…」




「お前に…何が分かるんだよ…。暖かい家族がいて!!帰る場所がこれからもあるお前に!!」




「わかる!!」




康二は叫ぶ




「俺は、岩橋くんとして2ヶ月過ごしてきた!!その間はずっと孤児院で生活した。けど、先生たちはそんなこと言わなかった!!」




「言わなかった？言えなかったの間違えじゃないの!?」




「ちゃう!!しかも『玄樹くんはいつも下の子のお世話してくれて助かるよ』なんて言ってくれたよ」




岩橋は口をワナワナさせる




康二は続ける




「確かに、孤児院無くなることは誰もが悲しがっていた。けど、新しい門出だって言ってたで」




「もし、孤児院を出て、行くあてないなら俺ん家来れば？人1人増えたって大丈夫だし」




佐久間も話す




「なんで…そんなに優しいんだよ…」




岩橋はその場に座り込んだ




「なんでって…簡単じゃん」




俺たち…友だちでしょ？




そして、俺が…




「岩橋のこと、…好き…だから…」




そう言うと岩橋は声を出して泣いた




たくさんたくさん泣いた




その声は学校中に響いた




「…マジでお祓いしてもらお」

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