暁の入れ替わり BL Afterward

Afterward 第20話 コンタクト ページ20

「母校って…ここだよね？」



俺は電話の通りに1人で母校の高校に来ていた



どうやって忍び込もうか



やっぱり黒ずくめの服がいいよね？



そう考えた俺は黒色メインの服を来てきた



3年間通った学校だ



警備の抜け穴など簡単に見つけていた



俺はそこを通って校舎に入る



さすがに電気は付けれないので暗闇の中、目を慣らせながら進む



うぅ…



「いのちゃんくらい…呼べばよかった」



後悔既に遅し



怖がりながらも進んでいると



「バァ」



と後ろから脅かされた



「うわぁぁぁむ!!」



俺が叫ぶと口を塞がれる



何か柔らかい物で…



俺は数回瞬きをしてそれが唇ということに気づいた…



唇!?



「っは。静かにしないと中間先生や有岡先生に怒られるよ」



離れた唇から放たれた優しい言葉



「いの…ちゃん…」



その正体はいのちゃんだった



「昨日から挙動不審すぎ。何かと思って山田んちに行ったらどこかに向かってたから追いかけてきた」



追いかけてきたって



「薮ちゃんには何か言ったの？」



「ん？出かけてくる」



「…それだけ？」



「それだけ」



大丈夫なのかな？



「それにしても夜の学校って気味悪いね。なんでこんな所に来たの？」



いのちゃんは何も知らないから俺は説明した



昨日、暁の女神の正体について話があると電話があり



その人が夜に母校…つまりここに来てくれと伝えたということを



「なるほど。で、どこに行けばいいの？」



「あっ」



そう言えばそれを聞いてなかった



どうしようと焦っていると



「誰かいるん？」



どこかで聞いたことのある関西弁が下の階から聞こえてきた



中間先生だ!!



どこにも隠れる場所なんてない



2人で焦っていると



「うわっ!!」



急に後ろから手が伸びてきたその教室に引っ張られた



「あれ？誰もいないんか。だったらあの声…考えるだけで嫌や」



そのまま中間先生は帰っていく



「あ、ありがとう…」



俺は咄嗟に引っ張ってくれた人にお礼を言う



「なんて事ないよ。俺も場所伝えてなかったから」



場所…



「キミが涼介に電話した」



月明かりが教室を照らす



俺たちの目に映る彼は…



優しい目をしていた



「…初めまして。中山優馬です」

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