No.5 ページ7
おれの身体が、燃えていた。
決して比喩ではない。
たしかに、身体から、火が出ているのだ。
……燃えてるって何でだよ!!?
エース「うわあああ」
おれはその場をのたうち回り、デュースも焦り砂をおれにかけた。
でも、炎は勢いを増すばかりだ。
デュ「な、なんでいきなり火が……っ！」
エース「うわあああああ！熱い……！熱いいい……！」
……ん？
エース「熱……くない!?」
おれが冷静になると、おれの身体を覆っていた炎も、やがて消えた。
おれにも身に付けているものにも、なんの変化もない。
デュ「まさか……さっきの実は……
悪魔の実……」
悪魔の実、か……
そうだそれだ!!
前にAが食べてたミズミズの実に少し似てたんだ！
エース「これが悪魔の実？」
Aはたしか、海に落ちるまで気づかなかったらしいな……
って、ん？
エース「いや待てよ。悪魔の実ってことは、もしかして泳げなくなったのかおれ!?」
と、すぐに海に入ってみて確かめようと、海へと駆け出した。
でもどんどん海に入ると、やがて崩れ落ちた。
デュ「なにしてんだお前っ!?」
デュースが助け出してくれたからよかったが。
だよな……
Aも、泳ぎ得意だったのに無理だったし。
デュ「そういや、おれは……平気なんだな……？」
エース「悪魔の実は、最初に食ったやつにだけ力を与えるんだ……
残りは、ただのまずい実ってわけだ」
自分の指先を見つめた。すると、指先がゆらりと揺れ、小さな炎に。
エース「これが、悪魔の実ねェ……。あんま実感沸かねェなあ……」
これなら、Aがしばらく気がつかなかったのも頷けるな。
再び指先に集中すると、炎は消え、何もなかったかのように元の指に。
エース「ふーん、なるほどねェ…」
なんとなく、操り方がわかった気がする。
Aが起きたら聞いてみるか。
つーか……あいつ、死んでねェよな……？
いやいや、あいつに限ってそれはない。
うん、大丈夫だと信じよう!!
デュ「悪魔の実、詳しいのか？」
エース「前にも言ったっけな。おれにはきょうだいがいるんだ。Aとルフィってんだがな、その二人も悪魔の実の能力者でね。だから、人よりかは慣れてるっちゃ慣れてるかもな。まァ、ルフィはケンカしてもおれの全戦全勝だったけどな」
デュ「なんつーきょうだいだ……。ていうか、どうしたら生身で能力者に勝てんだよ……」
あいつの場合、能力の使い方が下手なんだよ。
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作者名：シルネ | 作成日時：2018年7月26日 15時
