No.40 ページ42
貴女「サボっ!!大丈夫!?」
サボ「ああ、大丈夫……
思いの外、お前とおれじゃあ…力の差があるんだな…」
サボは仰向けになりながら、そう言った。
貴女「…違う。あの女に勝てたのも能力のおかげだし…力と武装色なら、サボのが上だろ」
サボ「ははっ…そうか？
…とりあえず、おれらも船に戻るか」
サボは、立ち上がった。
貴女「おい……歩けんの？」
サボ「おう、大丈夫!!」ﾆｶｯ
……本当、だろうか………
私はうつ向く。
やっぱり、サボはサボだね……。
記憶失っても、なぁーにも変わんないなんて、ずるいよ…
その笑顔も、性格も、全部全部………
.
ヤバいなァ……私……
.
ﾊﾟﾗ…
サボ「？……!!」
ｶﾞﾗｯ
貴女「え…？何…」
私が上を向くと…
ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｯ…
貴女「えっ…!?」
天井が…!?
サボ「Aっ!!」
ﾊﾞｯ
.
頭が回らなかったのかな…
気づくと、サボが覆い被さってきてて……
抱き締められてて……
.
天井が、落ちてきていた──…
.
.
貴女「ん……んん……」
気がつくと、目の前にサボの顔があって、ぐったりしていた。
貴女「え、ウソっ!!」
能力で瓦礫を吹き飛ばして、呼び掛ける。
貴女「サボっ!!サボっ!!」
ウソ……待って、まってまってまって……
貴女「どうしよ…どうしよ……!!と、りあえず…船にっ…!!」
ｶﾞﾊﾞｯ
サボを担いで、最短全速で船まで向かった。
屋根とか飛び移って見た人に驚かれたし、途中王女の声が聞こえたけどお構い無し。
船まで行くと、私とサボを見た人も驚いていた。
貴女「〜〜〜!!〜〜〜〜!!!」
正直、何を言ってるかなんて分かんなかった。
ただ、サボを助けなきゃ。その一心で……。
何を訴えてたかなんて、全く分かんない、覚えてもない。
皆揃ってたらしくてすぐに出発して、私は頭の一部だけはなんとか冷静に、海流を操って船を最短ルートでバルティゴに向かわさせたのは覚えてる。
バルティゴに帰ったら、サボの部下の人達がサボを運んでくれて、バルティゴにいた人達も驚いていた。
コアラ「A!!一体何があったの!?」
ｶﾞｯ
コアラが私の肩を掴んだ。
私は……目から、留めなく涙が流れているのを感じた。
.
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作者名：シルネ | 作成日時：2018年7月26日 15時
