No.3 ページ5
エース「お、おい。急にどうした……？」
デュ「おれはお前とは違うんだよ！帰りてェ場所があるなら幸せじゃねェか！
帰れる場所があって、血は繋がってなくても心で繋がってるいいきょうだいがいて、さぞかし幸せな野郎だなァ
ええ、おい？大好きな父ちゃんと母ちゃんも、きっと今ごろ心配して待っていてくれるってわけだ
恵まれてんだよてめェは！」
!!
………
おれは、母親はいねェと言うと、父親はどうなんだと聞いてきた。
父親は……
父親も、いねェと答えた。
するとデュースは、自分の父親は会うたびに「私に恥をかかせるな」としかいわなくて、それに比べたらおれのところは幾分マシだろうと言った。
おれは……
母親の顔すら知らねェし、父親は犯罪者でろくでもない人間だったと言う。
今度はデュースは、お前に罪があるわけでもねェのにと。たいした悩みじゃないと。
たいした悪党じゃないだろうから自意識過剰で、その犯罪者のことも、おれのことも誰も気にしちゃいないと……
犯罪者は犯罪者でもたとえば親が海賊王だっていうんなら悩むのもわかる、と言った。
おれは、何も言えない……言いたくなかった。
デュ「いや……おい、待て、やめろよ……。なんだよその反応……？
嘘……だろ……？」
おれは目を閉じて、首を少しだけ横に振る。
デュ「ろ、ロジャーなのか……？あのロジャーだっていうのか……？海賊王の……？」
今度は……縦に、首を振った。
デュ「くそっ……」
しばらくして、デュースはそう言った。
エース「あっ、な、なあ、一緒に船……」
デュ「もう話しかけてくんな……。おれァ、ハナから手伝うつもりはねェんだ……」
そして、デュースは歩いていってしまう。
………やっぱり、そうなんだよな………
海賊王の息子ってのは、疎まれるもんで──
……よし!!
結局ひとりだけど、ここを出られるように頑張んねェとな！
おれは頭を振って、考えを振り払った。
────
──
それから数日後、やっと食べれそうなものを見つけた。
うーん……でもこんなの見たことねェなァ……
オレンジ色の、変な形の果実。
……ん？やっぱり、見たことあるよーな…？どこだっけ？…ま、いっか。
ぎゅるるるる
そんな音が、後ろから聞こえた。
？「あぁ……」
振り向くと、後ろに木の棒を持ったデュースの姿。
エース「ん？おおっ、この木いいな！」
.
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作者名：シルネ | 作成日時：2018年7月26日 15時
