No.2 ページ4
仮面男「お前に名乗る名前なんかねェよ……」
エース「なんでだよ？おれたちもう友達だろ？
名前くらい教えろって」
仮面男「うるせェな……。そうだな、ペンネームでいいなら、いくらでも教えてやるぜ」
？？
エース「ペンネーム……？」
仮面男「エースってのはイイ名前だよな。いずれ冒険記を書くときに、使わせてもらおうか」
はァ？
エース「おい待てよ。おれの名だぞ」
仮面男「だからペンネームだと言っている。おるがなんと名乗ろうが関係ないだろう？」
エース「やめろよ。おれはこの名で高みを目指してるんだ。真似すんじゃねェ」
それから、話をした。
おれは、そいつに名前を「デュース」にしろと言った。意味は知らねェけど、おれの名前と響きが似てるから。
名前ねェと呼ぶときに不便だしな！
それと、デュースのつけてる仮面…触れたらまずかったかと思ったが、好きで着けていると言った。
だから、そいつの名前は「マスクド・デュース」にすることに。
うん、いいんじゃね？
デュ(デュース)「いいか。おれは海へ出ると決めたそのときからこうして仮面を着けている。こうすればたとえ海軍に目を付けられたとしても正体がわからねェってわけだ。合理的だろ？」
おれは、男なら堂々と顔をさらして名を上げるしか考えられねェな……
デュースは、ただ冒険をしたい。
自分の元いた場所じゃ、自由を求めて海に出るのはバカにされると言う。
だから、家族に迷惑かけたくないって思ってる…つまり、好きなのかと思ったが、声を荒げて否定された。
エース「そうか？おっかしーなあ。そうだと思ったんだが……」
デュ「そんなわけ、ねェだろ……」
エース「家族といやあ、おれにはきょうだいに同い年の女と弟がいてな。まァ、血は繋がっちゃいねェんだが……」
おれは、沖へと視線を向けた。
エース「その女は女のくせに負けず嫌いで強がりで……。弟は、サルみたいにうるせェやつでな
一緒にいたときはあまり意識してなかったし、その女と二人で旅してたからわかんなかったけど……弟と離れて、そいつが倒れてひとりになってみると、案外さみしいもんだな…」
そこに、あいつ、もう六日も倒れてんだぜ、と付け足す。
デュ「いいよなお前は……。帰れる場所があって……
なんでこんなとこに来てんだよ。その女連れて弟のとこに帰ればいいじゃねェかよ……！」
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作者名：シルネ | 作成日時：2018年7月26日 15時
