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キーーンコーーンカーーンコーーン


22時、閉塾の合図だ。


帰る準備をして、玄関を出たところで相川先生を待つ。


こういうときは、いつもここの自販機でジュースを奢ってくれる。だからちょっと楽しみなのだ。


そんなこと先生には絶対に言わないけど。



ま「お待たせー!!あ、飲み物なににする?」



「んふふ、じゃあカフェラテで。」



ま「ふーん...随分かっこつけたものを飲むようになったね...僕はコーラかな。」



「先生のチービ 飲み物から子供っぽいですよ」


ま「えっチビじゃないでしょ!!!
  少なくともれもんのプラス20センチはあるから!」


慌てていて面白い。身長のことじゃないのに。



「先生がいい具合に精神年齢低めだから
 いじりたくなっちゃうんですよ
 あと私154センチありますからね!
 20センチも差は無い..と思うんですけど。」



ま「精神年齢低くないですー。
  あと僕178センチだから余裕で20センチ越えだね」


「嘘だ!!ちょっと背中付けさせて下さいよ!」



そう言って無理やり背中を合わせる。



男の人の背中ってがっしりしてるんだなぁ...



っていやいや、そんなこと考えちゃだめだ。



うわ、なんか恥ずかしくなってきた。


「やっぱいいです、認めますよ身長高いの」


ま「認めるも何も事実なんだよなぁ...
 今日は帰りお迎えくるの?」


「いや、歩いて帰ります」


ま「え、いや、は?こんな時間に女の子ひとりで帰るとか危ないに決まってんじゃん。送るよ」



「いやいや...そんなことさせられないですよ
 だいたい、時間外労働ですよ?いいんですか?」


ほんとは嬉しいのに素直に受け取れない。


こんなこと言ったらもう嫌われるんじゃないかな。


ま「何言ってんの。今は塾の先生じゃなくて、
  1人の人間として言ってるの。
  問答無用、危ないから送るよ。」


「...ありがとうございます」


優しい。相川先生..いや、相川真冬は凄く良い人。


きっと彼女いるんだろうな...大切にしてそう。



素直に好意を受け取れる言い方をしてくれるんだもん。



ま「じゃ、帰ろっか。」



街灯に照らされた道を歩いて、笑って、私は家についた。




「ありがとう、相川真冬」



ま「いくら今は先生じゃないからって呼び捨てって..
  先生じゃないときは真冬って呼んで。」



「送ってくれてありがとう、真冬」



ま「どういたしまして もう寝なよ」



「わかってるよ、おやすみ」



ま「おやすみ」

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作者名:れもん | 作成日時:2022年8月17日 0時

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