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『…ッ、でもッ』
【お願い。もうあなたのせいだなんて思わないで。なんて、私が言える立場じゃないけれど。
あの子も私もあの時の呪いを倒してくれたことに感謝しているわ、ありがとう。
本当はあの時、あんな言葉をぶつけるじゃなくて、ありがとうって言えばこんなことにならなかったものね、】
『っ…うっ、』
今までたえてきたものが全部、全部溢れてくる。私が思っていたのより私は苦しかったのだろうか。
確かにずっとどんな任務も、どれだけ急に任務を出されても、呪霊を真剣に戦っていつだって逃げなかった。死だって覚悟してた。
なおさら呪いのことも。私が私じゃなくなっても、自分の命を絶つことだって覚悟の上。皆を殺してしまうぐらいだったら容易いこと。
でも、そんな私でも生きてていいと、もう苦しまなくていいと。
あの時あの子を殺したのは私じゃないって、言ってくれた。それだけで一体どれだけ救われたことだろう。
【…泣かないで。あなたの許可が下りれば…だけれど、抱きしめてもいいかしら。】
その問いに私は精一杯頷く。
遠慮がちだったけれど、温かい体温が布越しに感じられる。
【これから貴方は自分を優先にして生きてほしい。それから、できるだけあなたのサポートをさせてほしいの】
「っ、さ、サポート…?」
その人は眉をへの字にして、私の涙をそっと指で拭う。
【あの子を殺した呪霊が憎いもの。私も一緒に戦うわ。
これは呪い、じゃない。契約。私はあなたを守る。あなたはなにもしなくていいわ。】
「な、なにもしないって…」
【今までの苦しみがあるもの。これは私なりの“償い”だと思って。
呪いである私にとってこれぐらいしかできないけれど…、】
生きてたら、もっとこれよりちゃんとした“償い”ができたかしら。と寂しく笑う表情。
「…そんなことありません。私にとって生きてくださったらもっと嬉しかったです。でも、呪いにしかできないこともあります。…サポート、お願いしてもいいですか?」
【…勿論。】
刹那、彼女を纏う黒い靄から白い光へと変わっていった。一体何が起きたものか、と彼女を凝視していれば、彼女は美しくふわり、と優雅に微笑んだ。
【解呪と同時の契約。何かあったらコレで私を呼んで】
そう言ってじゃら、とネックレスを握らされる。とても綺麗で透き通って見えた。
それを受け取ると同時に、私は目を覚ました。
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ほしの。(プロフ) - シズ様 ありがとうございます!そう言っていただけてとてもとても嬉しいです…!ただいまテスト期間で死にそうでしたが、元気出ました!感謝です。。今後ともどうぞ、よろしくお願いします! (2022年10月20日 19時) (レス) id: 124138e0c0 (このIDを非表示/違反報告)
シズ(プロフ) - テスト頑張ってくださ〜い!主さんの作品めちゃくちゃ好きやから更新めちゃくちゃ待ち遠しいんよ! (2022年10月10日 8時) (レス) @page46 id: ce3f4b3801 (このIDを非表示/違反報告)
ほしの。(プロフ) - MEGUMI様 私もそのシーン拝見しました!めちゃめちゃかっこいいですよね!まじでわかります♡更新頑張ります! (2022年8月21日 11時) (レス) @page45 id: f3340582e1 (このIDを非表示/違反報告)
MEGUMI(プロフ) - 有難うございます!!初めて呪術廻戦見た時にさとるんの虚式「茈」を打つ瞬間めっちゃカッコ良くって惚れちゃいました♡更新頑張ってくださ〜い!! (2022年8月20日 16時) (レス) id: 835a7597df (このIDを非表示/違反報告)
ほしの。(プロフ) - MEGUMI様 初めまして!初めから読んでくださり有難うございます!落ちはできれば全員書ければな、と思っているので五条先生も書く予定です!五条先生推し!という方が沢山いらっしゃるので五条先生多めで書くかもです!これからも作品をよろしくお願いします! (2022年8月20日 11時) (レス) id: f3340582e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしの。 | 作成日時:2022年4月17日 12時