特級呪術師が解呪するまで。【呪術廻戦0】

▽ ページ17

真希が去って行って、時間もそんなに立っていない。




『…、』




何かがおかしい、そう思った刹那、




「高専に帳がおりてる！！誰が…どうして？！」




そんな乙骨くんの言葉にドクリ、と嫌な音が私の全身に響く。

それと同時に嫌な考えが私の脳内を支配する。






『…乙骨くんはここで待ってて。』



「え…？どこにいくんですか？」



『ちょっと何が起きたのか見てきて、敵がいたら排除してくる。』




「え、ちょっ！」




乙骨くんの焦ったような声を最後に私は急いで外に向かった。







『…真希、棘くん、パンダくん…、』


的中した。まさか、本当にまさかとは思っていたけど…、こんな短時間で…、っ、




『…、』

とりあえず、応急処置だけ…、重力を使って止血をする。(圧迫止血のようなもの)











…よし、これでひとまずは持つだろう。…あとは…、




「やぁ、この前以来だね。」




ゾワリ、全身に寒気が走る。

『夏油…傑…』




しまった油断していた。生きて帰れるか、久しぶりに味わったこの息の詰まる感覚。




「あぁ、Aを殺すつもりはないよ。キミにも乙骨くんにも生きてもらわなければ困るからね。

どう？手伝ってくれる気になったかな？」





『いえ、全然。仲間を傷つけるような人の手伝いをするなら呪霊を祓ってくたばったほうがまだマシです。』




「…そうか。…そうだね、それじゃぁ仕方ない。君の気が変わるまでその呪霊とやらを祓ってもらおうかな。

……君の体力が尽きるまで。」



『…！』




「皆を守れるか…、むしろその皆を殺すか…。

随分と見物だね、A」




『…っ、なんでそのことを知って…！』




「初めて会った時に言ったはずだよ。Aに会ったのは初めてじゃないってね。


それじゃぁ、良いひとときを。…はて、乙骨くんはどこで何をしているかな。」




させない、と思い、夏油の元へ行こうとするが、それを阻むようにザッと呪霊がくる。
…、ざっと見て皆一級あたりだろう。



真希も棘くんたちの分まで、アイツを仕留めなければいけないのに…！

五条先生はどこに行ったの…？






祓っても祓っても再び現れる呪霊に思わず舌打ちをする。どれだけ早く呪霊を祓ってもアイツがまた別の呪霊を何体も出してくるから、アイツに届かない。




このままじゃ、本当に…、



歯を食いしばる中、いつしか夏油傑の姿が見えなくなってしまった。

▽→←12ガツ24ニチ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す