1-9 悠仁side ページ10
白い煙と、バチバチと放電に包まれた先に、伏黒が呪いに掴まれていた。
「伏黒!」
ひとまず先輩たちを、安全な場所で壁にもたれかけさせていると、壁が崩れた音がした。
伏黒の式神だった犬が、ドロドロと溶けだして驚いてると、伏黒は呪いに襲われていて、学校の壁をぶち破って外に飛び出して行った。
急いで四階から呪いの頭上めがけて飛び降り、拳をくらわせた。 伏黒は、頭が血だらけになりながら、俺に先輩を連れて逃げろって言ってきた。
(そんなん、できるかよ!)
「お前だって、ヤバイじゃねーか!」
追いかけてくるデカい腕を何とか避けて、腕を掴んでも、飛ばされちまう。
「呪いは呪いでしか祓えない、オマエじゃ勝てないんだ!」
「そんなこと言ってる場合か! それじゃあ、オマエは死ぬだろ!」
言い合いしながらも、避けて、掴んで、攻撃してを仕掛けている。
「今帰ったら、夢見悪ぃんだよ。 それにな」
蹴とばした所から、血のような物が噴き出したのに、一瞬で元通りになる。 すかさず呪いに拳を向けられ、スレスレのところで避けつつも伏黒の前に飛び移る。
「こっちはこっちで……」
――『人を助けろ』――
「面倒くせえ呪いかかってんだわ」
言い終わると直ぐに攻撃され、何とか避けたのに、気付いたら口から鉄の味がして、真上に吹っ飛ばされた。 一瞬、ホントに一瞬、Aみたいな人影が見えた気がした。
(クソッ……)
手に持っていた感覚が無くなって、咄嗟に腕を伸ばした。 それなのに、呪いに体を鷲掴みされる。
(指は!)
足で呪いを踏んづけて口で指をなんとかキャッチした。
「馬鹿!! 俺によこせ!! お前も食われるぞ!!」
「ゆうちゃんっ!!」
すげえ懐かしい呼び方に、ああ、これはAが俺を呼んだんだ。 やっぱAだったんだって安心した。
でも、安心したのもほんの一瞬で、それどころじゃない。 呪いのデカい歯に何とか足で押さえつけているけど、正直かなりヤバイ状況だ。
――『喰ってどうすんだ? 美味いのか?』
(――そうだ)
俺は口に咥えていた指を上に思いっきり放り投げて言った。
「あるじゃねえか、全員助かる方法。 俺にジュリョクがあればいいんだろ、伏黒!」
「やめろ……やめろお!!」
「っだめ!! ゆうちゃん!!」
指を飲み込んだ音と、二人の悲鳴のような声が、――耳に入った。
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クロワッサン(プロフ) - 猫助さん» たいっへん長らくお待たせいたしました(-_-;) コメントありがとうございます。 最新話更新いたしましたのでぐっすり眠れますね!! (2021年4月28日 3時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
猫助(プロフ) - 先が気になって気になって、夜しか眠れません…作者様、続きを…続きを…!(密かに応援しています。更新、ゆっくりお待ちしています!) (2021年2月27日 8時) (レス) id: b4292b3d94 (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - 人形師さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 続きをお待ちいただいてありがたいです ^^) 嬉しいお言葉、ありがとうございます。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 先を楽しみにして頂いて嬉しいです(*^^*) 作者かなりマイペースなもので…(^^; 気長にお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2021年1月25日 4時) (レス) id: 0a38f0e1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロワッサン | 作成日時:2020年11月19日 21時