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「生き様で後悔はしたくない」
そう言葉を学長に投げかける姿は、悠仁らしくて思わず笑ってしまう。
学長が寮の案内と警備の説明を先生に指示し、悠仁の合格が決まった。 悠仁が喜んで挨拶をしようとした所に、人形の拳が悠仁の顔面に一撃していた。
「……さて」
学長は悠仁から私に視線を向ける。 その奥の瞳が、一体何を考えているのかが分からなくて、警戒してしまう。
「私にも人形と戦わせるのですね」
「いや、それ以前の問題だ」
(それ以前？)
「――君にはここを去ってもらう」
「……って言いたかったんだけど、その必要は無くなったよ！ ……だからそんな顔しないしない」
学長の声が途切れて一分も経たずに先生の声が被さった。
自分がどんな顔をしていたかなんて、言われなくても分かる。 衝撃と、絶望と、――悲しみだろう。
「A……良かったな！ 一緒に授業受けれんじゃん！」
「ゆ、じ……うん、良かった」
悠仁の声で我に帰った。 いきなり上げて落とす飴と鞭を体験させられて言葉が出なかったが、大丈夫と自分に言いきかせ、胸を撫でおろす。
「怪我してない？」
「平気。 こんくらいで怪我しちゃ爺ちゃんになんて言われるか」
「フッ……そうね、『男のくせにピーピーわめくな！』って言いそう」
(ああ、ダメだな。 今すぐ悠仁に飛びつきたい……)
前方には広く大きい背中。
連続の別れに関わることばかりで、酷く感情が揺さぶられる。 どうしてこうも立て続けにおきるのか、と一瞬誰かに愚痴の一つでも溢してしまえたら。そんなことを思いながら悠仁と先生の後ろをついて歩いた。
＊
案内された部屋の中で、悠仁は大喜びしている。
「二 三年は今出払ってるけど、ま、すぐ会えると思うよ。 人数少ないし」
窓を開けて「Hello!」なんて言うのは、西洋のアニメくらいなのに、悠仁がやると何故か様になっている。
部屋は大きく、家具も整備されていた。 私は積みあがった段ボールの中身を丁寧に開封しながら、悠仁の浮かれ具合を後目に作業をする。
(食器も洗剤も、洗濯ネットもある)
支給された数々の物を用途ごとに分けていると、悠仁の私物の中から金髪美女のポスターが出てきて、それを悠仁に渡した。
「悠仁、ポスターは穴開けるともったいないから、マスキングテープ」
"を使って"と言葉を続ける前に、既に画鋲でせっせか作業していたので口を閉ざした。
(……寂しいって気持ちがあるのは、私だけ、か)
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クロワッサン(プロフ) - 猫助さん» たいっへん長らくお待たせいたしました(-_-;) コメントありがとうございます。 最新話更新いたしましたのでぐっすり眠れますね！！ (2021年4月28日 3時) (
レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
猫助(プロフ) - 先が気になって気になって、夜しか眠れません…作者様、続きを…続きを…！（密かに応援しています。更新、ゆっくりお待ちしています！） (2021年2月27日 8時) (レス) id: b4292b3d94 (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - 人形師さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 続きをお待ちいただいてありがたいです ^^) 嬉しいお言葉、ありがとうございます。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 先を楽しみにして頂いて嬉しいです(*^^*) 作者かなりマイペースなもので…(^^; 気長にお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2021年1月25日 4時) (レス) id: 0a38f0e1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロワッサン | 作成日時：2020年11月19日 21時
