2-2 伏黒side ページ13
自身の傍で小さく震え、持っているハンカチを落としていることを、彼女は気づいているのだろうか？ 唇が微かに動いたかと思ったら、虎杖を見て、大きい瞳を更に大きく見開いてる。
「おい……」
しかし、彼女はまるで何事もなかったかのように、俺の顔を見て小さく微笑む。 その顔は、一人の笑顔を背景に連想され、酷く脆い心を揺さぶられた。
それと同時に、不平等な現実を味わう人種になりかねないことに、顔が歪むのを抑えられなかった。
五条先生が、虎杖に受肉した特急呪物、宿儺に代われるかを問い、十秒で戻ることを制限した。 そして、決まり文句を吐き、準備運動を続けている。
話終えた途端、虎杖は彼女の方を向いた後、肩に掛けられていたパーカーを急いで渡していた。
「Aごめん持ってて」
呼びかけに、彼女は何も言わず受け取り、俺の方を見て小さく笑って言った。
「ごめんなさい、気休め程度にしかならないけれど」
パーカーのポケットに手を突っ込み、頬に絆創膏を貼り、受け取ったパーカーを綺麗に畳んで抱きしめている。
「あ、恵もこれ持ってて」
準備運動を終えた五条先生が、一連の流れを静観し終わり、紙袋を渡してきた。
「これは？」
「喜久水庵、『喜久副』仙台名物。 超うまい。 僕のオススメはずんだ生クリーム味」
最後に♪でもついてそうな発言に、スッと怒りの電流が走った。
(この人土産買ってから来やがった。 人が死にかけてる時に)
いつもの調子で話している五条先生の背後へ影ができ、咄嗟に「後ろ!!」と叫ぶが、尚も言葉を続けた後、凄まじい衝撃が来た。
煙が舞い、瞼を開ければ、赤い瞳と目が合う。
それからは、五条先生の煽りに、宿儺は間髪入れずに攻撃を仕掛けたが、のらりくらりと、余分な動きも見せずに対抗していた。
吹っ飛ばされた宿儺が憎ったらし気に、しかし、確実に一撃をくらわせようと突進してくる。
どれだけ拳を向けられ、蹴りを向けられても傷一つない様子に、相変わらずため息しか出ない。
(目の前でこんな戦闘を見て、普通の人はビビるだろうな)
隣にいた彼女が、宿儺のあの瞳に直視されていなくて良かった。 そう安堵していたが、
(まて、おかしい、そんなはずはない。 じゃあ何で――)
「おっ 大丈夫だった？」
虎杖の声に思考が遮断された。 五条先生が驚いていたが、正直俺も驚いた。
安堵した矢先、虎杖を気絶させた人物に、苦痛のこもった声が耳を劈いた――
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クロワッサン(プロフ) - 猫助さん» たいっへん長らくお待たせいたしました(-_-;) コメントありがとうございます。 最新話更新いたしましたのでぐっすり眠れますね！！ (2021年4月28日 3時) (
レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
猫助(プロフ) - 先が気になって気になって、夜しか眠れません…作者様、続きを…続きを…！（密かに応援しています。更新、ゆっくりお待ちしています！） (2021年2月27日 8時) (レス) id: b4292b3d94 (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - 人形師さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 続きをお待ちいただいてありがたいです ^^) 嬉しいお言葉、ありがとうございます。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
クロワッサン(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメント遅ればせながらありがとうございます。 先を楽しみにして頂いて嬉しいです(*^^*) 作者かなりマイペースなもので…(^^; 気長にお待ちいただけると幸いです。 (2021年1月27日 15時) (レス) id: 9c7083b36c (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2021年1月25日 4時) (レス) id: 0a38f0e1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロワッサン | 作成日時：2020年11月19日 21時
