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変わる世界 ページ6

「この子本当に大丈夫なの?」

「わたしを誰だと思ってる。
それに今のところ特に異常は見られない。」


「俺が心配してるのは体のことだけじゃないよ。
この子の心ね。」



男女の声が聞こえる。


耳ではしっかり聞き取れるが、会話の内容を正しく理解できない。
頭がうまく働かない、といった表現の方が適切なのだろうか。


「……??」

視線を感じる。

「硝子ー、この子起きてるけど。」

起きてることがばれてしまい、一気に全身の血の気が引いた。
視線が注目するのを感じ、さらに目が開きにくくなった。


「ほんとだ。おはよう、具合はどう。」


うっすらと瞼を上げると黒髪の女性がわたしの顔を覗き込んでいた。
服装からして医師のようだ。


「あの…私…」


体を起こそうとするが、石のように体が重く、硬く、鈍い痛みが走る。
苦痛に顔を歪ませて、私は再び頭を枕に置いた。


「おはよう。大変だったね。君。」

「あ、え、この人…うぅっ!」


見覚えのある白い髪に電気が走ったような頭痛を覚えた。
あの真っ赤な風景が蘇る。



「ぁ、え、お、お母さん…
お母さんは!お母さんどこに居ますか!」



舌が絡まるようでうまく話せない。
私は先程の体の痛みは忘れたように身を起こして白い髪の男の服の裾を握った。



「君のお母さん?」


わかってる。


「あの日、君はお母さんといたの?」


そうなんじゃないかって本当はわかってる。


「すごく残念だよ。」


でも、事実を知るまでは


「あの日君以外あの駅の周辺にいた人間は」


受け入れられない。


「皆死んだよ。」


認めたくなかった。

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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ゆうき(プロフ) - 時さん» すごく嬉しいです。ありがとうございます。時さんも更新頑張ってください。いつでもコメント欄いらっしゃってくださいね。 (2021年8月6日 11時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!最初で一気に惹かれました!続きを楽しみにしています!無理せず更新頑張ってくださいね! (2021年8月6日 11時) (レス) id: 65803b71a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ラリマさん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいです。優しいお言葉感謝します。ラリマさんも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。作品の方にもお邪魔させていただきます(p_-) (2021年8月6日 0時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
ラリマ(プロフ) - コメント失礼します! 続きがすごく楽しみです!これからも体調に気をつけて更新頑張ってください!!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: 3c461fe813 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうき | 作成日時:2021年8月3日 22時

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