私たちの呪術廻戦【五条悟】

同志 ページ46

「失礼しまーす！お見舞いに来ましたァ！」

「怪我人の前でうるさいんだよ，お前は。」




虎杖はAの部屋に入るなり、大きな声ではしゃぎ立てる。手にはAが見たこともないタイトルの並んだ映画が握られている。


「A、大丈夫なの？硝子さんが治せないって聞いたけど。」


(そうなの、私が術式をコントロールできないせいで硝子さんの術式弾いちゃって)


ベッドに座るAの隣に、釘崎が座り顔を覗き込んだ。

Aは以前の五条との筆談を機に、会話の方法にそれを用いていた。熱はひき、自室に帰れたものの骨折した足はそのままで分厚いギプスに巻かれていた。部屋に戻り、明日から普段通り一年生3人と授業に出る予定ではあったが、我先にとAの見舞いに赴いた3人の動向は重なり結局4人集まっていたのだった。



「菓子パするって言って何でお前は映画しか持ってないんだよ。」


「だってみんなお菓子持ってくるなら1人違うものの方が良いじゃーん。ほらこの『ナメクジ人間の襲来』とか結構おすすめなんだけど」

「なんであんたが勧めてくる映画はそんなんばっかりなワケ。」




というか、菓子パの名目で集まってるんだー…。


見舞いに来てくれたというか遊びに来たというか。

気付かないうちに遊び場にされていた我が家を複雑に思いつつ、Aは賑やかな3人を微笑ましく見ていた。


「もうつけていいかー？『ナメクジ人間の襲来』」

「キモいのは勘弁よ。あ、Aは座ってなね、なんか用があればこいつがやるから。」

「何で俺だけなんだよ」

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