脅威2 ページ44
「まさか硝子の反転術式も使えないとはね。」
「そのまさかだよ。」
Aが目を覚ましてからも家入はAの骨折した足を治療できずにいた。Aは自身の術式のコントロールが難しく、家入の呪力さえも拒絶している状態だった。
むしろ、Aは骨折を原因に、熱が出てしまい寝込み始めていた。
「ああしてみると本当にただの女子高生だな。彼女が高専に来て1ヶ月か?五条のお気に入りの中では成長が遅いようだが。」
「やめてよね、僕はAを悠仁とか憂太みたいに戦闘狂に仕上げるつもりはないんだから。」
「じゃあなんだ。ただの上への反骨精神?」
「んーーーーーー、なんだろうね。」
ソファに腰掛ける五条は、その長い足を組み替え天井を仰いだ。
「なんか僕もこんな気持ち初めてでさ。でも、Aの折れた足とかあの寝込んでる姿見たらまじちょームカつく。悪いもの全部僕が祓って幸せにしてあげたい。」
「…は?」
「は?」
五条の言葉に目を丸くした家入が、五条を凝視した。家入の反応に訳がわからず五条も家入を見た。
そして、自分の言葉を反芻したのか、家入の意図を汲み取ったのか、五条の肌は徐々に赤みを帯びていく。
「まじで言ってるわけ。」
「いや,何が。」
家入が五条に詰め寄る。
五条はきまり悪そうに襟で顔を隠した。
「照れてんじゃねー。お前のそんなところ誰も見たくないんだよ。」
「照れてねーよ」
あらゆることを察した家入はため息を吐きながら、再びソファに深く腰掛けた。その手は頭を抱えている。
「ほんと呪術師って…。ろくに恋愛経験なんてしてきてないのは仕方ないけど、ここまで拗らせるとはな…。」
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ゆうき(プロフ) - 時さん» すごく嬉しいです。ありがとうございます。時さんも更新頑張ってください。いつでもコメント欄いらっしゃってくださいね。 (2021年8月6日 11時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
時(プロフ) - コメント失礼します!最初で一気に惹かれました!続きを楽しみにしています!無理せず更新頑張ってくださいね! (2021年8月6日 11時) (レス) id: 65803b71a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ラリマさん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいです。優しいお言葉感謝します。ラリマさんも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。作品の方にもお邪魔させていただきます(p_-) (2021年8月6日 0時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
ラリマ(プロフ) - コメント失礼します! 続きがすごく楽しみです!これからも体調に気をつけて更新頑張ってください!!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: 3c461fe813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうき | 作成日時:2021年8月3日 22時