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いつもと違う朝4 ページ4

人混みの中で、テロや、通り魔や、様々な憶測が情報として耳に入ってくる。しかしどれも根拠はないようで、私の不安と興味は増すばかりだった。
不謹慎な話だが、救急車に運ばれていく人たちの様子も気になった。


「近づかないでくださーい!近付かないでくださーい!」


どういった立場の人間かは知らないが、とても警察らしくはないスーツを着た人達が私たちギャラリーを駅から追い払おうとする。
しかし人混みは時間と比例して増えていき、泣き叫びながら誰かを呼ぶ声が多数聞こえた。


「すみません!すみません!うちの子が登校で電車を使ってたんです!!知りませんか!!」

「救急車に乗ってるのは誰ですか!!高校生の男の子は見てないですか!!」


それぞれが口々に言葉を発して何がなんだかわからない。改めて只事ではないように感じて、突如恐怖が私を襲った。はぐれないように繋いでいた母の手を強く握る。

「A、戻ろう。」

母も異常さを感じたようである。
これ以上近づくべきではないとビリビリとした見えない壁を感じる。しかし、増えるギャラリーは私たちを駅の方へ駅の方へと追いやっていく。
踏ん張る力も、母との会話も絶え絶えで一刻も早くここから立ち去りたくなっている。



「お母さんやばい。やばいよこれ。」


恐怖で涙が目に溜まり、身動きできずに駅の方へと近づいていく体。怖くて怖くて、学校のことなんて頭の中にも無くなった。大勢の人が混乱の中入り乱れ、他人のことなんて一切考えられない状況にある。泣き叫ぶ声や、張り裂けそうな声で誰かを呼ぶ声が、頭の中を支配して、自分の声も聞き取れない。

ついに私たちは人混みに揉まれ、握っていた手は空をかき私と母は散り散りとなってしまった。

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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ゆうき(プロフ) - 時さん» すごく嬉しいです。ありがとうございます。時さんも更新頑張ってください。いつでもコメント欄いらっしゃってくださいね。 (2021年8月6日 11時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!最初で一気に惹かれました!続きを楽しみにしています!無理せず更新頑張ってくださいね! (2021年8月6日 11時) (レス) id: 65803b71a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ラリマさん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいです。優しいお言葉感謝します。ラリマさんも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。作品の方にもお邪魔させていただきます(p_-) (2021年8月6日 0時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
ラリマ(プロフ) - コメント失礼します! 続きがすごく楽しみです!これからも体調に気をつけて更新頑張ってください!!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: 3c461fe813 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうき | 作成日時:2021年8月3日 22時

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