基礎としての力 ページ30
午前7時。
グラウンドへ向かったA。
早速そこには先客がおり、念入りにストレッチを行っていた。
「お、Aじゃーん。珍しい。」
Aの姿に、釘崎がいち早く気づいた。
そして背を向けて下半身の屈伸をしていた真希が遅れて気付き、どこか嬉しそうな顔を見せる。
「誰かと思えば特級術師じゃねーか。手合わせしにきたか?」
にやにやと笑みを浮かべ、真希はAへ手を招く。それに対してAは即答で大きく首を振った。
むりむりむりむり。やばい、無理です。
Aは真希の任務へ同行したことがあった。彼女が呪力を用いていないとはいえ、特異なフィジカルを持ち合わせているのは素人目からでも明らかだった。先日までただの女子高生として生活していたAが勝てるはずもないのは考えるまでもない。
指一本も触れられないどころか、瞬殺でしょ。
「真希さん、怖いっすね」
「冗談だっつーの」
釘崎の一言で、真希は拗ねたような視線をAに送った。特級とされるAに関心があるのは真希だけではない。しかし、Aには特級としての自覚がないことはおろか、力のコントロールもまだまだ不十分であった。それには基礎的な体力、呪力のコントロール、己の術式の理解を高める必要がある。まだAはその一つも満たしていない。
真希と釘崎の2人は、その日からほぼ毎日、グラウンドでAのトレーニングに付き添うこととなる。
時折、他の生徒も交えながら、Aは徐々に力をつけていった。
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ゆうき(プロフ) - 時さん» すごく嬉しいです。ありがとうございます。時さんも更新頑張ってください。いつでもコメント欄いらっしゃってくださいね。 (2021年8月6日 11時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
時(プロフ) - コメント失礼します!最初で一気に惹かれました!続きを楽しみにしています!無理せず更新頑張ってくださいね! (2021年8月6日 11時) (レス) id: 65803b71a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ラリマさん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいです。優しいお言葉感謝します。ラリマさんも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。作品の方にもお邪魔させていただきます(p_-) (2021年8月6日 0時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
ラリマ(プロフ) - コメント失礼します! 続きがすごく楽しみです!これからも体調に気をつけて更新頑張ってください!!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: 3c461fe813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうき | 作成日時:2021年8月3日 22時