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移転5 ページ19

「そうだ。」


もうすぐ高専に着くというところで、五条さんは立ち止まり、その右手で自分のポケットをまさぐった。

何が出てくるのかと私も、その手の先を見つめている。



「これ。プレゼント。」



五条さんがそう言って取り出したのは白い石のピアス。

見たことのないパワーストーン的なその石はなにか人を吸い寄せるような魅力があって、おもわずその場で見惚れてしまった。

真珠とも言えない半透明の白い丸い石は暮れ始めた日の光を浴びて、ほのかに発光しているようだ。



「ピアス開いてたよね。
着けてあげる。」



多少強引にも、五条さんは私の側に寄りその冷たい指先で私の耳に触れた。

その優しい触れ方がなんともいえない心地でくすぐったさを覚えた私は思わず肩をすくめた。



長い指…。



白くて爪の整った美しい指は、私の髪を掻き分け、その奥にある私の耳たぶをそっと持ち上げ、爪でピアスホールをなぞる。

不用意な耳のすぐそばで五条さんは吐息のかかってしまうような距離にいる。

視線をどこにやったらいいかわからず、私はぎゅっと目を瞑った。


目を閉じたことにより、感覚がより鮮明となり、肌を伝って五条さんの存在をより感じる。

その中で微かに聞こえる吐息が私の耳をくすぐり、そして久しぶりに通すピアスホールからはぷちっと僅かな衝撃が走った。


自分の体温がどんどん上がるのがわかる。

触れられてるところが熱くなってしまい、同時にじわじわと汗がうなじを湿らせていく。



「痛くない?」

「っ…。」



突如耳元で優しく囁かれ、つい震えるような吐息が漏れてしまった。

私は恥ずかしさで自らの口元を覆い、強く頷いた。

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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ゆうき(プロフ) - 時さん» すごく嬉しいです。ありがとうございます。時さんも更新頑張ってください。いつでもコメント欄いらっしゃってくださいね。 (2021年8月6日 11時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!最初で一気に惹かれました!続きを楽しみにしています!無理せず更新頑張ってくださいね! (2021年8月6日 11時) (レス) id: 65803b71a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ラリマさん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいです。優しいお言葉感謝します。ラリマさんも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。作品の方にもお邪魔させていただきます(p_-) (2021年8月6日 0時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
ラリマ(プロフ) - コメント失礼します! 続きがすごく楽しみです!これからも体調に気をつけて更新頑張ってください!!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: 3c461fe813 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうき | 作成日時:2021年8月3日 22時

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