いつもと違う朝 ページ1
「A〜!」
階段を踏み鳴らす音がだんだんと近づいてくる。
スマホのアラームは何度も何度も解除したせいで充電は赤く示されていて、次になる気配はない。
「A!!いつまで寝てんのっ!!」
「うぅっ」
ノックもなしで部屋の扉が開けられたと思うと、母が私の名前を怒鳴りつけながら布団をひっぺがえしてきた。この時期の朝はよく冷える。抵抗しようとするが、情けないことにうめき声しか出なかった。
手探りで見つけたスマホを見て、無くなりかけの充電を見て萎えるのはもちろん、現在時刻を見た私は、教室にいないといけない時間から逆算して家を出ないといけないタイムリミットを算出した。
「うわっ、遅刻じゃんっ!!!!!!」
「お母さん知らないわよ〜」
「こんな時間に起こさないでよっ!」
自分に非があり、起こしてもらうだけでもありがたいはずが、自分のだらしなさから生じた緊急事態に頭が対処しきれず母に理不尽な怒りをぶつける。
そんなことは屁でもないと、母は呆れながら部屋を出ていき、今度はさっきよりもゆっくり、遠のいていく階段の音が聞こえた。
私は、階段を滑り落ちるように駆け降りて、洗面所に滑り込んだ。冬用のモコモコの室内靴下が今はすごく煩わしい。滑りやすい足元に、いつか階段から落ちて死ぬかもしれない、なんて考えながら学校の用意を始めた。
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ゆうき(プロフ) - 時さん» すごく嬉しいです。ありがとうございます。時さんも更新頑張ってください。いつでもコメント欄いらっしゃってくださいね。 (2021年8月6日 11時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
時(プロフ) - コメント失礼します!最初で一気に惹かれました!続きを楽しみにしています!無理せず更新頑張ってくださいね! (2021年8月6日 11時) (レス) id: 65803b71a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ラリマさん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいです。優しいお言葉感謝します。ラリマさんも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。作品の方にもお邪魔させていただきます(p_-) (2021年8月6日 0時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
ラリマ(プロフ) - コメント失礼します! 続きがすごく楽しみです!これからも体調に気をつけて更新頑張ってください!!! (2021年8月6日 0時) (レス) id: 3c461fe813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうき | 作成日時:2021年8月3日 22時