表明 ページ7
五条が出ていき、Aは考えていた。
お母さんを殺したのはどんな呪霊だったのかな。
すごい怖い顔してたりするかな。でも、私なら勝てるのかも?だって、呪霊の攻撃は私には効かないし。
…そか、物理攻撃だったら負けるのか。
ベッドの上、腕を組みAは頭を悩ませた。
いつかきたる仇との決戦を夢見た。
そのために厳しい訓練に耐えている。そのために術師として自覚を持って恐ろしい任務へ向かっている。
それが友人たちの言うように、実際は人間の仕業で、全てのことが幻影だったとしたら自分はどうなってしまうのだろう。
自分を未来へ突き動かす力はどこに消えるのだろう。
(強くなりたい。)
文字に起こしたそれは、自分への呪いなのか。
強くなって、戦えるようになって、母の仇を……
「覚悟が決まったようだね。」
!
気付かなかった…。
自分の考えに集中していたせいか?
いや、自分の弱さだ。
袈裟姿の男は、(夏油傑)と名乗った。
「望むものを手に入れる準備はできたかい?」
Aは躊躇うことなく、差し出された手を取った。
強くなりたい。真実を知りたい。誰にも負けない知識と力がほしい。
強い力で引き寄せられ、夏油は軽々とAを抱き上げた。
「君が触れるとこいつらが痛がるんでね。失礼するよ。」
Aは足元を見た。そこには宙に浮かぶ呪霊の姿があった。夏油の式神なのか、呪霊は従順に従っている。
ふわふわと浮かび上がり、見た目からは想像もつかないスピードで駆け抜けるそれは高専を飛び出し林を抜けようとしていた。
…感じる。五条さんが私を追ってる…。
Aは近付いては離れる強い気配を察した。いつも感じるあの気配だ。
夏油は胸元の襟を引かれ、胸に抱く少女を見下げた。何か訴えたそうにする瞳を見つめた。
「あぁ、悟?すごい君のこと追ってるね。」
夏油はニヒルに笑うと、木々の開けた場所を見つけ、ゆっくりと着地した。
徐々に迫り来る強い気配。
いや、これは…殺気だ。
「彼女を返せ。」
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ゆうき(プロフ) - びびでばびでぶー (3月8日 22時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ここまでスクロールしてくれたあなたはこの小説のファンということでよろしいでしょうか (3月7日 21時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - はちゃめちゃにイチャイチャしてるの書きたい、ストーリー展開させていくのきちゅい (3月7日 21時) (レス) @page37 id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - コメントほちぃ… (3月3日 23時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうき | 作成日時:2023年12月15日 18時