拮抗2 ページ32
「それじゃ、名前を伺ってもいいかな。」
「名乗る必要はない。Aを解放しろ。」
客間で待っていたのは伏黒だった。
夏油が客間に足を踏み入れた時、不服そうな顔をした青年がいた。
扉が開けると、行儀良く足を揃え、一見落ち着いた様子で座っているが、その鋭い目線は夏油を威嚇しているようだった。
想定外にも見覚えのない人物が現れたが、夏油は一言「おや。」と発したのみで、あとはにこやかに青年の対応をしている。
「名前がわからないんじゃ仕方ないね、不審な人間を招き入れるほど我々教団は優しくないよ、坊や。」
伏黒は、”坊や”の一言に眉間の皺をより一層深めた。
「ここには一人で来たのかい。」
「それも答える義理はない。」
「あはは、それもそうだね。わざわざここに彼女を探しに来たということは君も悟の教え子の一人なのかな。」
穏やかに話す夏油とは対照的に、伏黒は薄い唇を固く結び、夏油の言動に神経を研ぎ澄ます。
「五条悟と知り合いなら、高専を敵に回したくはないはずだ。Aだけ返してくれれば、後は盤星教には干渉しない。」
五条先生に聞いたことがある。
離反し、非術師を手にかける男。
術師しか存在しない未来を作るために活動していることを。
一か八かだが、俺には最後の手がある。
今はこの男が術師を殺さない選択を優先することを願う。
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ゆうき(プロフ) - びびでばびでぶー (3月8日 22時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ここまでスクロールしてくれたあなたはこの小説のファンということでよろしいでしょうか (3月7日 21時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - はちゃめちゃにイチャイチャしてるの書きたい、ストーリー展開させていくのきちゅい (3月7日 21時) (レス) @page37 id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - コメントほちぃ… (3月3日 23時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうき | 作成日時:2023年12月15日 18時