私たちの呪術廻戦【五条悟】2

拮抗 ページ31

「教祖様、知人を名乗る者がお見えです。」



夏油は袈裟を纏い，救済を求める非術師のリストを目にしていた。


今日は8人…。どうせ低級だろう。

「ああ、また頭のおかしい猿の出まかせに決まっている。追い返しなさい。」




夏油は報告に来た信者の一人に手で払うような仕草を見せた。一瞥もくれない教祖に踵を返すかと思えば、震える唇は続けて話す。

「そっそれが…呪術高専…？と言えば分かると…。」

「は？」


呪術高専…


言葉に反応し、夏油は信者の顔を見た。

教祖の視界に映り、それがあまりにも恐れ多かったのか、信者は肩を震わせてこうべをたれた。


「申し訳ございませェん！！すぐに追い返して…

「いや、いい。客間に居るんだな。」

一切の微笑みもくれてやらず、颯爽と歩みを進める夏油の姿は、信者にとってみればこの上なく聡明な姿に見えた。
怯える信者とすれ違いながら、客間と言われる部屋へ向かう。






悟か…？


誰であれ目的は彼女か。








部屋へ向かう途中、夏油は歩みを止めた。



目的がAであることを想像して、どこか胸糞が悪くなるのを感じた。ざわめくような苛立ち。

「ははっ。」


立ち止まる夏油は、右手を額へと当てて天井を仰いだ。



悟…。




私達はやっぱり似ているなあ。

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