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「かなり筋が良くなってきたね。対人なら並の術師じゃ敵わないな。元々センスは良かったから教え甲斐があるよ。」
『夏油さんの教え方が分かりやすいんです!最初は殺されるんじゃないかと思ってましたけど…』
そう言い淀むAの姿に、夏油は目を細めた。
あの程度の訓練で死ぬようならそれはそれで。
「君の飲み込みが早いから、つい熱がこもってしまったね。」
漏れそうになった本音を飲み込み、夏油は建前を口にした。
そんなこともつゆ知らず、目の前の少女は賞賛を言葉のままに受け入れ、照れ臭そうに頬を染める。
あまりにも、その姿がいたいけで、つい彼女の頭へと手を伸ばした。
くしゅ、と優しく握られた手から温かい体温を感じ、一瞬目を丸くするAだったが、すぐにその目は細く弧を描いた。
夏油の手は、小さい頭を簡単に覆い、髪の艶をなぞるように、2回。頭を優しく撫でる。
『えへへ、なんですか。子供扱いですか?』
「子供だろう。」
本当に建前なのだろうか。
この行動も。彼女に与える施しも。
その答えは夏油が一番知っていた。
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ゆうき(プロフ) - びびでばびでぶー (3月8日 22時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ここまでスクロールしてくれたあなたはこの小説のファンということでよろしいでしょうか (3月7日 21時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - はちゃめちゃにイチャイチャしてるの書きたい、ストーリー展開させていくのきちゅい (3月7日 21時) (レス) @page37 id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - コメントほちぃ… (3月3日 23時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうき | 作成日時:2023年12月15日 18時