佐 藤 さ ん は 五 条 さ ん【呪術廻戦】

佐藤さんは五条さん【2】 ページ39

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五条Aは、大きな家のリビングで蹲っていた。
五条悟の同期である家入硝子に付き添って貰って、伺った医者にて、彼女が求め続け、拒み続けてきたものが宿っているという事が診断結果で出された。

家入は、良かったな、と笑ってくれた。
A自身も、良かったと思った。

それなのに素直に喜べないのは、ダメな母親だろうか。お腹の中で一生懸命生きようとしている子にとって、最悪な母親だろうか。



『……』



灯りのない部屋。五条悟と話し合いをして買ったソファに横になれば、耐えて耐えて耐えすぎていた涙が音もなく溢れ、彼女の頬を伝ってソファにしみを作って行く。


＿＿そんな彼女に、優しく手が触れた。



「A」

『………悟さん』

「硝子から全部聞いたよ」



その言葉だけで、充分だった。

Aは、何も言わずに五条悟に縋り付くようにして、さとるさん、と弱々しく彼の名前を呼ぶ。

こんなに弱っている我が愛しい妻を見たのが初めてだった五条悟は、内心動揺しながらも、それを表に出してしまえばもっと彼女を不安にさせてしまうのがわかっていた為、取り繕った冷静さで彼女を抱きしめた。



『私、ど、どうすればいいですか』

「……」

『堪らなく嬉しい、うれしいのに、怖くて。この子を、育てていけるのかわからない。こんな気持ちで、産んでいいのか、』




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