佐藤さんは五条さん【4】 ページ37
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ギブスを付けていない手が、熱を帯びていく。
東京の光に照らされただけの悟さんの顔は真剣そのもので、空色の瞳は闇の中で輝いていた。私は、それだけで泣きそうになる。
悟さんはそれを察したのか、もう一度唇を重ねて、A、と切なそうに私の名前を呼んだ。
「嫌なことを、全部僕で塗り替えて。」
__Aにとって嫌なものは残すな。
そう言って悟さんは私の首筋にも口付けを落として、それによって強ばる私の体を、繋いでいない方の手で撫でる。
耐えきれなくなって、ぽろ、と涙が零れた。
ああ、なんで泣いてるんだろう。こんなに弱い女になった覚えはないのに。
『……手間、かけてっ、すみません、』
「手間なわけないだろ。僕にも責任がある。それに、Aには夜を怖がって欲しくない。__もう、愛せなくなる」
そんな事ない。
私は、貴方が好きだから。
貴方に触れられるのは、好きだから。
そういう意味を込めて握り返すと、彼は自らはめた指輪に唇を押し付けた。
「A」
『……はい』
「いいよね」
それだけでなんの事か理解して、理解した上で私は頷く。
『……ひとつだけ、いいですか』
「なに?」
『全然アンパン○ンになれなくてごめんなさい。もうカレー○ンマン目指します』
「それは3年計画でしょ。てかならないでよ。あとカレーパ○マンとか夕食から引っ張ってきたよね。もう黙ろう。抱くから」
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暁郗 - 9本の薔薇…『いつもあなたを想っています』。え、尊い。 (2021年2月20日 5時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
まろん - うわああああああああっ!!!!大好きですうううう!!!付き合ってくださ((殴 (2020年12月1日 0時) (レス) id: e127b99774 (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - 天才、好、神、感謝、激感謝 (2020年11月28日 1時) (レス) id: a02f96cbd3 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 明日テストにも関わらず一気見してしまいました…とても素敵な作品で、美味しかったです。アニメも始まってるので漫画もう一回読んで五条悟の素晴らしさを見てきます… (2020年11月17日 13時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - とても面白かったです。この物語の番外編みたいなやつで五条さん視点の話があったら面白そうですね。(一目惚れ〜結婚までの五条さん視点の話) (2020年11月16日 1時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2020年4月10日 14時