佐 藤 さ ん は 五 条 さ ん【呪術廻戦】

佐藤さんは五条さん【１１】 ページ27

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動かそうにも動けない体を持ったまま意識を浮上させると、辺りは真っ暗だった。カーテンの隙間から入る月明かりだけが部屋を照らしていて、その他のどこの病室も消灯されている。

それだけ遅い時間に起きてしまったのだろうか。時刻を把握するために目だけを動かせば、私の左側に、見慣れすぎた銀髪が揺らめいていた。


面会時間はとっくに過ぎてるだろうに、家に返されなかったのか？いやこの人の事だしコッソリ侵入してきたかもしれない。うわ犯罪者じゃん何やってんすか悟さん。

という念を込めながら彼を凝視していると、足を組んで腕も組んだ状態で椅子に座って眠っていた彼が、不意に目を覚まし、すっ、と自然な仕草で私に目を向けた、瞬間＿＿、


空色の瞳が開かれて、彼は沈黙を所持したまま立ち上がった。



「……………、A？……僕がわかる？」



呼吸器をつけたままじゃ喋る事もままならず、私は小さく頷くだけ。
それでも五条さんは安心したように息を吐いてから、ベットに顔を突っ伏すように膝を床につけた。



「こんなにも僕を心配させてくるなんて、後にも先にもAしか居ないね。」

『……。』

「あー、責めてる訳じゃないから。そんな顔しないで」



さらり、と、遠慮がちに撫でられた手に、私はこれ以上に無い安堵を覚える。




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