悪魔【8】 ページ9
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五条さんと飲みに出かけてから数日。
一般人の治療のため外出中の硝子さんの代わりにせっせと事務仕事をしつつ、自分が担当した患者の報告書を同時進行で行っている私の元に「失礼します」と丁寧な声が届いた。
『あれ、伊地知さん』
「に、西園さん」
同じ高専で働く補助監督の伊地知さんは、相変わらず疲れた顔をしている。そして手には何枚かの書類。
私は立ち上がって彼の元へ行き、『それは?』と書類を指すと、彼は少し言いにくそうに黙ってから担当者の名前の欄を指さす。
“担当:五条悟”
それだけで色々と察した私は、何も言わずにデスクに戻って箱のチョコレートを丸々伊地知さんに渡し、逆に書類を貰った。
『この書類、私達のサインが必要なやつですよね。書いておきます』
「すみません……」
『伊地知さんが謝ることじゃ無いですよ。』
悪いのは報告書をサボるこの人ですから、と担当者名の所にトントンとボールペンを付けると、伊地知さんは下手くそな苦笑いを浮かべる。
伊地知さんは、私と同じかそれ以上に五条さんに絡まれる苦労人。
以前、仕事が出来るから〜という理由で可愛がっていると五条さんから聞いたけど、あれは嘘。
正解は、仕事を押し付けやすいから〜だ。
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すおりん - はい、もう……好きです 更新頑張ってください!応援してます (2020年4月3日 9時) (レス) id: 84d164d6bd (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - 新作待ってました!nakiさんが書く先生かっこよすぎて推せます!大好きです! (2020年3月28日 14時) (レス) id: 200233cfbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2020年3月28日 8時