悪魔【26】 ページ27
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いい歳こいて泣くなんて恥ずかしい。
泣き終わって少し赤くなってしまっているだろう目を触ってから、誰にも聞こえないため息をついた。
仕事を放ってきたから戻らなきゃ行けないけど、五条さんが残ってたらどうしよう。
でも、硝子さんももうすぐ帰ってきそうなのに、硝子さんへ仕事が終わらせてないなんて迷惑をかけしまう。
人への迷惑か、自分の気持ちか。どちらかを優先しろと言われて、私が選べる立場では無い事は重々承知していた。
『(……戻ろ)』
立ち上がって白衣についた汚れを払って、私は大丈夫だ、と胸に手を当てながら言い聞かせる。こんなことをした所で、実際五条さんに会ってしまえば平常心を保っていられないのに。
こうでもしなければ、前に進めないなんて。
はぁ、ともう一度、最後のつもりでため息を着くと、私から死角になっている所から「ひえっ」と驚いたような声が聞こえる。
誰か知らないけれど驚かせてしまったので、すぐ謝ろうと顔を出すとそこに立って居たのは、補助監督の伊地知さんだった。
「って、西園さん……!?」
『伊地知さん。どうしてここに?』
「さ、先程五条さんを任務に送り届けまして、その際に“西園を探しといて”と言われたので……」
『……お疲れ様です』
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すおりん - はい、もう……好きです 更新頑張ってください!応援してます (2020年4月3日 9時) (レス) id: 84d164d6bd (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - 新作待ってました!nakiさんが書く先生かっこよすぎて推せます!大好きです! (2020年3月28日 14時) (レス) id: 200233cfbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2020年3月28日 8時