十話 ページ12
「入学間もないってのにもう三度目だよ！？
なんで止めてやらなかったオールマイト！！！」
「申し訳ございません、リカバリーガール」
「私に謝ってどうするの！？」
「疲労困憊の上、昨日の今日だ！
一気に治癒してやれない！
応急手当はしたから点滴全部入ったら
日をまたいで少しずつ活性化していくしかないさね
全く
力を渡した愛弟子だからって甘やかすんじゃないよ！」
「返す言葉もありません
彼の気持ちを汲んでやりたいと躊躇しました
あまり大きな声でワン・フォー・オールのことを話すのはどうか……」
「あーはいはい
ナチュラルボーンヒーロー様、平和の象徴様」
「この姿と怪我の件は
雄英の教師側などには周知の事実ですが
個性の件はあなたと校長
そして親しき友人
あとはこの緑谷少年のみの秘密なのです」
「………」
そういうことか………
オールマイトの秘密を暴くために
急いでこっちに来たけど正解だったな
でもそろそろ行かないと盗み聞きがばれるし
クラスメイト達にも怪しまれる
まあ、盗み聞きはバレたところで問題はないのだけど
そして、歩きながら情報を整理し考える
オールマイトの発現からして
今の保健室内の姿はあの姿じゃない
多分私が知っているのはそっちの姿か
私があの姿を見たときにピンとこなかったから
でもなんで私は知ってるんだ？
クソッ
記憶が曖昧で全然わかんねー
そんなことを考えていたら教室に着いた
扉を開ければ緑谷のことで話が盛り上がっている
「あっ、夏原！
皆どこ行ったのか探してたんだよ」
「あははは……
ちょっとね
迷惑かけちゃってごめんね」
どんなに人と関わるのが嫌でも無視するわけにはいかない
莫大な負の感情を抱かれてもこっちが困るのだから
だからすっごくいい子とはいかなくてもいいから
負の感情を出さない程度の人付き合いができればそれでいい
変になつかれると任務の都合上、よくないのだ
「全然いいよ！
あっ、私、芦戸三奈」
「蛙吹梅雨よ
梅雨ちゃんと呼んで」
「私は夏原斐織、よろしくね」
自己紹介をしていると放課後になって
爆豪がさっさと帰っていった
皆が必死に止めてたけど……
そして緑谷が教室に来てすっごく話しかけていた
爆豪のことを聞くと急いで追いかけていった
………私も帰ろ
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作者名：K-dream | 作成日時：2022年5月2日 22時
