「…恋の始め方」 (ページ28)

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☆ ページ28

北「A…？」

しっかりと目が合った
あの頃と変わらず優しい目

記憶が蘇ると共に怖くなった

　「樹、行こう。」
樹「え、うん」

タバコの火を消し喫煙所から出ようとした

北「待って」

大好きだった手が私の腕を掴む

　「離して」
北「Aとずっと会いたかった」
　「私はもう会いたくなかった」

キッと睨むと何もなかったかのように微笑む北斗

北「俺、あいつと別れたから。Aとまたやり直したい」

空白の数年なんの連絡もなかったのに偶然会っただけなのにそんなこと言うなんて信じられない

　「私はもう北斗と関わるつもりないから。樹、行こう」

腕を振り払って代わりに樹の手を握る

北「A。また連絡して？」

携帯を差し出して連絡先を教えようとしてくる

樹「おにいさん。A困ってるんでやめてもらっていいっすか？」
北「君には関係ないから」
樹「Aの彼氏なんで関係あります。そういうことなんで。」

私から掴んだ手なのにグッと樹に手を引かれて喫煙所から出た