「…恋の始め方」 (ページ11)

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☆ ページ11

仕事が終わって会社を出る

京「お疲れ」
　「お疲れ様」

隣に並んで歩き始める

会社内では面倒だから隠しているが京本とは実家がお隣さんで所謂幼馴染ってやつで

京「最近、慎太郎と仲良くやってるじゃん」
　「いや、勝手に懐かれてるだけだよ」
京「そう？結構昔みたいな笑顔見るけどなぁ」

昔ってどれだけ前の話をしてるんだか

大我にと誘われる日は決まって私の家で過ごす

京「タマ美〜久しぶり〜！」

タマ美も大我には甘えたさんだ
ゴロゴロ喉なんか鳴らしちゃって大我から離れようとしない
飼い主より懐いてるんじゃないか

　「どうする？何にする？」
京「んーー久々にAのハンバーグ食べたいかな」
　「はいよ」

タマ美を抱えてソファでくつろぐ大我
録画していた番組をつけて自分家かのように過ごしている

京「Aー」
　「ん？？なに？」
京「お茶とって」
　「自分でとってよ。今私の手はお肉だらけです」

ちぇ…なんて言いながらキッチンへ来る

京「ねぇ、A電話鳴ってるよ」
　「誰から？」
京「ジェシー？って人から！」
　「あぁ。まぁいいや、切っといてー」
京「出なくていいの？」
　「うん、いい。また用事あればかけ直してくるでしょ」

大我に代わりに切ってもらって肉をこね続ける

10分後

京「ねぇ、またジェシーって人から電話だよ」

残念なことに私の手は綺麗になってしまっている

…出るか

　「ちょっと大我、火見てて」

はいよーなんて声を聞きつつ電話を取る

　「…もしもし」
ジ「あ！出た！Aちゃんなんでさっき切ったのさ！」
　「ごめんなさい、手放せなくて」
ジ「そうだったんだね、ごめんごめん笑」
　「何か用ですか？」
ジ「昨日同様あっさりしてるね〜笑
昨日と同じ店で飲んでるんだけど来ないかなぁと思ってさ〜！」

この人２日連続で飲み行ってるなんて元気だな…

ジ「嫌じゃなきゃでいいんだけどどう？！」
　「いや、その… 京「Aーハンバーグ焦げそう！！」

ちょっと！声でかい！！
なんでひっくり返さないのよ！
見てるだけじゃそりゃ焦げるよ！

わーわー言いながらキッチンへ向かうと電話の向こうから

ジ「あ、えっと、、彼氏さんといたのかな？ごめんね。電話しちゃって…」
　「あ、いや、その人来てるのでまた機会があれば」
ジ「そっか！わかったごめんね。また誘うね！」
　「はい、失礼します…」

電話をさっと置いてハンバーグをひっくり返した