検索窓
今日:18 hit、昨日:6 hit、合計:158,676 hit

3話 ページ3

「______!」

金髪の男が俺の体を揺さぶった。

「__?」

何かを言っているようだが、生憎俺は日本語と少しの英語しかわからない。

それに、ひどくだるいんだ。

「…………もう、無理だ…やめてくれ……」


ボソッと吐き出した言葉は酷く嗄れていて、聞き取れるかどうかわからないくらいの小さな言葉だった。

「お前、日本人か?」

金髪の男は、俺のわかる国の言葉を発した。
あの日から長らく聞いていなかった祖国のやわらかな言葉。

その言葉に耳を傾けながら意識を落とした。

「おいっ!しっかりしろ!!ロマーリオ、今すぐこっちへ来てくれ!」

















「暖かい…」

目を覚ますと、そこは暖かなベッドの上だった。
ふかふかの布団に包まれた俺は、ボロボロのシャツではなく、少し大きいが、綺麗な白いシャツを着ていた。

俺はあの後、どうしたのだっけ。

働かない頭をぐるぐると回転させ、過去の記憶を呼び覚ました。

「っ!」

おぞましい記憶が頭を駆け巡る。
生暖かい舌の感触、全身をまさぐられるような気持ちの悪い感覚がして、思わず自分を抱きしめた。


ガチャ


「お、目を覚ましたか」

目の前には見知らぬ男が立っていた。
扉を閉め、こちらへ向かってきた。

「よう、俺はディーノ。体調はどうだ?」

「あ……」

何か声を発しようとしたが、上手く喉から声が出なかった。

男は何か思いついたかのように部屋を出ていき、そしてすぐに水の入ったコップを持ってきて……




盛大にぶちまけた。


「すまんッ!!本当にすまないッ!!」

謝ることはない、と水に濡れた俺は首を振った。

「あ、の…大丈夫、です」

「今からタオルとか持ってくる!待ってろ!!」


バタン

と勢いよく閉められたドアを見て、一息ついた。

なんだか騒がしい人だった。自分の足に引っかかってコケるなど、並大抵の事ではない。

夏目は密かに尊敬した。

4話→←2話※モブ夏要素あり



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
133人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

レイン(プロフ) - お久しぶりですね!更新再開したんですね!次も楽しみにしてます! (2016年11月12日 10時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
.nema - 更新再開楽しみにしてます!!!頑張ってください! (2016年10月6日 20時) (レス) id: e0296d3664 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - おぉ?!絵が入っていて分かりやすいし、上手で綺麗ですね!夏目の目が六になってるのも見てみたいですね!これからの夏目とリボーンのいろんなキャラとの絡み楽しみです!更新毎日楽しみ待ってます! (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
氷ノ江(プロフ) - マコトさん» はい、骸の意図したことではないので、そういう事になりますね。また何かわからないことがありましたらご連絡ください!答えられる限り答えますので!あ、イラスト褒めてもらえて嬉しいです、ありがとうございます。 (2016年7月15日 22時) (レス) id: 19db80fd17 (このIDを非表示/違反報告)
マコト - おお!なるほど!ありがとうございます!理解できました!骸が乗っ取ったために夏目が骸の幼少期の頃の記憶が見えてしまったということですね!ってことは記憶の件は骸の意図したことではないという事ですかね?((イラスト、漫画風でとてもカッコよかったです!! (2016年7月15日 19時) (レス) id: f1a7d746af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:氷ノ江 | 作成日時:2015年12月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。