2話※モブ夏要素あり ページ2
「寒い…?」
気づけばそこは、薄汚れた狭い道だった。
自分の身体を見れば、着ている服はボロボロのシャツとズボンだけ。その上に薄い毛布を1枚かぶっていた。
冷たいレンガの道に座り込み、白い息を吐きながらあたりを見渡した。
(ここは何処だろうか)
自分の記憶を遡るが、ここにたどり着いた時の記憶がない。
…そう、俺は死んだのだ。
名を返して欲しいという妖の住処へのこのことついて行き、名を返した。
そしてソイツは油断しきっていた俺を1口で食ったのだ。
そして俺は死んだ。
幽霊というものは本当にあるようで、俺は死んでから約2年ほどの間をさまよっていた。
八ツ原の妖やヒノエ、篠はもちろん、用心棒であるニャンコ先生にも俺の姿は見えなかった。
自分の葬式を見るというのは何とも奇妙な光景だった。
山奥で見つかった俺の遺体は傷一つなく綺麗な状態で見つかったという。
俺の葬儀には、妖も多く訪れていた。
俺の葬儀を行った田沼の寺には、人よりも妖の方が多かった。
自分のせいで悲しむ皆を見ているのはとても辛かったが、それと裏腹に自分の死を惜しんでくれる人がいるのか、と少し嬉しくも思った。
藤原夫妻は、葬儀が終わった後に俺の顔を見て頬をなで、静かに涙を流した。
田沼は夜、俺の遺体のそばにきて思い出話をしていた。
西村や北本は泣くのをこらえていたようだけど、涙が滲んで見えていた。
名取さんは葬儀が終わった後すぐに出ていった。
妖たちが言うに、俺を食った妖を的場さんと共に祓いに行ったらしい。
先生は、結局俺を食べてはくれなかった。
いつも食うぞ食うぞと脅しをかけていた割に、舐めもせずに黙りこくったまま、大きな身体で俺を見下ろしていた。
そんな先生を見て、俺はまだここにいると伝えたくなった。伝えようとしたが、俺はもう先生には見えなくなっていた。
その時初めて、人に見えない妖の気持ちがわかったような気がした。
後に、先生が俺の友人帳を探しに行ったらしいが、俺の知る限りでは見つかっていないらしい。
そうだ、おれは自分の葬儀まで見たのだ。間違いなく、死んだのだ。
なのになぜここにいる?
キョロキョロと周りを見渡しているとふと目の前が暗くなった。
大きな身体の男が、異国の言葉で俺に話しかけてきた。
そして俺は、その男の手によって穢された。
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レイン(プロフ) - お久しぶりですね!更新再開したんですね!次も楽しみにしてます! (2016年11月12日 10時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
.nema - 更新再開楽しみにしてます!!!頑張ってください! (2016年10月6日 20時) (レス) id: e0296d3664 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - おぉ?!絵が入っていて分かりやすいし、上手で綺麗ですね!夏目の目が六になってるのも見てみたいですね!これからの夏目とリボーンのいろんなキャラとの絡み楽しみです!更新毎日楽しみ待ってます! (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
氷ノ江(プロフ) - マコトさん» はい、骸の意図したことではないので、そういう事になりますね。また何かわからないことがありましたらご連絡ください!答えられる限り答えますので!あ、イラスト褒めてもらえて嬉しいです、ありがとうございます。 (2016年7月15日 22時) (レス) id: 19db80fd17 (このIDを非表示/違反報告)
マコト - おお!なるほど!ありがとうございます!理解できました!骸が乗っ取ったために夏目が骸の幼少期の頃の記憶が見えてしまったということですね!ってことは記憶の件は骸の意図したことではないという事ですかね?((イラスト、漫画風でとてもカッコよかったです!! (2016年7月15日 19時) (レス) id: f1a7d746af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷ノ江 | 作成日時:2015年12月20日 1時