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｢また負けた……ッ！｣
｢Aさん凄いね！｣
｢A氏と対戦するとか無理ゲー過ぎる。何でラブレターを毎回届けられるの？ 運すらも味方につけてるの？｣
"ラブレター"という名称のボードゲームをやり始めた四人であったが、持ち前の強運と賢さを発揮したAに尽く負けていた。
ゲンドウポーズでぶつぶつ呟いているイデアと純粋に賞賛しているオルト、そして頭を抱えて悔しがっているアズールにレモンバームティーを差し出したところ、二人が一気に飲み干したあたり、大分と負けたことを悔しがっているようだ。
そんな中、Aとオルトだけがマイペースにマフィンを頬張っている。
すると、コンコンコンと三回のノック音の後、何時もより疲れた表情をしているジャミルが入室してきた。
｢A、ちょっといいか？｣
｢何でしょ……うっ｣
カリムと一緒でないのは珍しいものだ、と思っていた矢先のこと。
ジャミルが近寄ってきたと思えば、唐突にAの腹部に顔をうずめるようにして抱きついてきたのである。
ぎょっとしている三人を他所に、Aだけが何かを察して溜息をつくだけに留めて、髪型を崩さないように気を遣いながら頭を撫で始めた。
｢どう致しました｣
｢……分からないが、疲れが一気にきた感じがして。無意識でAを探していた｣
｢はぁ、成程｣
疲労が溜まったからといって己を探すという心情はよく分からなかったが、その部分を問い質したところで理解が出来るとは思わなかった為、Aは適当に頷くだけ。
ジャミルと知り合ってから今までに数回あったことだが、勉学やカリムの無邪気な自由奔放さに時たま疲れた際に甘えにくるのである。
こういう時は大人しくしておき、要望通りに背中や頭を撫でてやれば、数分後には無事に復活していることが多かった。
｢はいはい、お疲れ様ですねぇ｣
｢………う｣
｢エ、あれって本当にジャミル氏？ カリム氏のお世話役してるジャミル氏で合ってます？？｣
｢合ってますよ、イデアさん。正直に言えば、僕もかなり混乱しているので何とも言えません｣
｢Aさんのなでなでは凄い効果があるんだね｣
｢リラックス効果のあるお茶を飲んだり、気分転換に体を動かしたりする方が良いと思うのですがね｣
｢俺はAが良いんだ……｣
｢相当参ってますね、貴方｣
ぎゅううっと腕に力を込められ、もっと撫でろと言わんばかりに頭をぐりぐりと押し付けられた為、Aは素直に手を動かして撫で続けたのであった。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
