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Ruggie side
コツン、くるん、コツコツ。
Aのヒールが床をノックして、ターンをする度にレース調のドレスがふわっと揺れて、シャンデリアの光で綺麗に透ける。
フロイドくんがAのことを"クリオネちゃん"って呼んでたこともあったけど、この子の肌の白さや透明感はそっくりかもしれないっスね。
｢綺麗っス……オレが出会ってきた誰よりもAが、一番｣
｢貴方も私に対する評価が過剰ですねぇ。私よりも美しい女性など五万とおりますよ｣
オレは本心を言ってるだけなのに、そんな呆れた目で見上げてこないで欲しいっス。
確かに嘘もつくし、冗談も言うけど、Aにだけは本当のことしか伝えてないんスからね。
まぁ、こういう変に疑り深いところとか、自己評価が低過ぎるところも彼女らしいっちゃらしいけど。
後少しで曲が終わっちまう。
Aの柔らかくて小さな手を包み込むことも、その細い腰を抱き寄せることも出来なくなって、この手を離さなくちゃいけなくなる。
｢A｣
｢はい、何でしょう。……わっ｣
Aの腕を引いて、腰に回している手に力を込めて、細くて折れそうに錯覚してしまう華奢な体を抱き締めながら、オレはAの鼻先にキスをした。
うっわ、予想してたけど周りからの嫉妬の視線が痛い痛い。
つーか、クルーウェル先生と学園長からも睨みつけられるって……本当にAはどんな交友関係してんスか。
｢ま、いっか。これは牽制だし……シシシッ、大好きっスよ！｣
オレはハイエナ、狙った獲物は逃がさないハンター。
油断してたら骨まで噛み砕いて、髪の毛一本も残さずにぺろっと食っちまうっスよ。
＊＊＊
取り敢えず約束をしていた三人と踊り終えたAは、喧騒から逃れる為にバルコニーに出ていた。
ホールでは四曲目が流れているというのに、ユウ達は他校の女性やダンスよりも豪華な食事を楽しんでいるらしい。
久し振りに煙管と酒を楽しみたくなったが、今は学生であることを思い出して静かに頭を降った。
すると、Aが一人になったのを見計らって数人の男子生徒が声をかけてくる。
｢ねぇキミ、噂のNRCの特待生ちゃんでしょ？｣
｢やっぱ美人だね｣
予想が当たった、と嬉しそうに喜んでいる彼らに対し、Aは心底興味のない顔をしていた。
何処の誰かも分からない相手から話し掛けられようと、容姿を褒められようとも嬉しくもなければ、寧ろ鬱陶しいとしか思えない。
どう逃げようかと思案していたその時、一人に腕を掴まれた。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
