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｢覆せない世界など、全て砂に変えてやる……！ 全部無意味だ……何もかも……！ 俺が……王に……！｣
最後にこの言葉を零した後、レオナの体から凄まじい暴風と衝撃波が発せられた。
空中に浮いていた彼は意識を失ったことにより、鈍い音を立てて地面へと落下する。
慌てて駆け寄ったラギーとジャックが彼を抱き起こして確認するも、特に目立った外傷はなく、ただ意識を失っているだけのようで二人は安堵した。
｢アンタ、何時もそんなこと考えてたんスか……？ 今まで、ずっと……｣
すると、何処からかレオナの声がこの場に響く。
リドルの時と同じ様に、彼の境遇や内心が曝け出されているようだ。
――生まれたときからずっと、俺の頭の上にはどけられない岩が置かれていた。
――もし、俺が第一王子だったら、きっとこう言われていただろう。
――｢第一王子のレオナ様は思慮深く、強力な魔法を使いこなす魔法士だ。脳天気な弟とは大違い｣と。
――それが、第二王子になっただけでコレだ。
――第二王子はやることなすことケチをつけられ、第一王子を称える為のダシにされる。
――どうやったって、一番にはなれない。
――ほんの数年遅れて生まれたというだけで、何故こんな想いをしなくちゃならない？
――どれだけ勉強しようが、どれだけ魔法を使えるようになろうが……生まれてから死ぬまで兄より優秀だと認められることはなく、王にもなれない。
――何故、俺は第二王子に生まれた？
――何故、俺は永遠に一番になれない？
――何故だ、何故だ、何故だ。
"人生は、不公平だ"
Aの意識は、そこで途切れた。
＊＊＊
誰かが、己の名を叫ぶ声が聞こえてくる。
男性らしい低い声が二つと、ほんのりとそれよりも高い声が七つ。
煩い、耳元で叫ぶな、元々五感が人より優れているのだから煩いことこの上ない。
｢……う、るさい｣
｢A！！｣
｢お、起きたっ……！｣
文句の一つでも言ってやろうと重たい瞼を持ち上げると、今にも泣きそうな表情をしているレオナとラギー、ジャックの三人がAの目に飛び込んできた。
ジャックは兎も角として、あのレオナとラギーが泣きそうになっている現状に内心ぎょっとする。
取り敢えず体を起こそうとしたのだが、何故か腕が思い通りに動かず、Aは首を傾げながら腕へ視線を移した。
｢両腕ともなくなっていますねえ｣
｢バッ……！ お前バカ！？ 何でそんなに呑気なの！？｣
Aの無関心さにエースが吼えた。
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
