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Vil side
今は夜九時。
何時もなら寝支度を整えて、スマホで最新のコスメとかファッションを調べてるけど今日はそんなことしてる余裕なんてないの。
｢不安そうだね、毒の君｣
｢当たり前でしょ。こんな時間にAがモストロ・ラウンジに行かされてるんたから｣
談話室でルークと一緒にスマホを囲んでいる光景は全く美しくないでしょうけど、今はそんなこと言ってる暇なんてないのよ。
Aは芯が通ってるし、しっかり者だけど変なところで常識が欠けてたり、自分に無頓着になったりするの。
だからハーツラビュルとサバナクローのオーバーブロット事件に巻き込まれて、毎回砂埃に塗れて帰ってきちゃう。
Aとジャックは仲良いらしいし、義理堅い子同士だから油断してたけど……ジャックもそっち側についてたらしいわね。
ユウって名前の監督生と一緒にAをモストロ・ラウンジに連れて行きやがったのよ、有り得ないわ。
｢ただでさえあの双子に気に入られてるのに……狼の群れに飛び込むようなもんだわ｣
｢随分と過保護だね｣
｢そういうアンタも、珍しく笑顔が固いわよ｣
顔をペタペタ触ってるけど気付いてなかったのね、アンタ。
ルークはアタシ程じゃないけどAを溺愛してるわ、それは寮生全員からの総意よ。
そこは置いといて、何でアタシとルークがスマホを囲んでるかっていえば、Aと通話が繋いであるからとしか言えないわ。
あんな危険な場所に易々と行かせられないし、何よりジャックと監督生は番犬としては不出来過ぎて認められないもの。
だったらアタシ達と通話を繋いだままにして、会話の内容次第ではすぐに助けに行けば良いって思ったのよ。
どう、名案でしょ？
[何で私まで行かなくてはならないのですかね]
[巻き込んでごめんね……]
[悪ぃとは思ったんだがよ、アズール達は頭が良いからAがいてくれたら心強いた思ってな]
[私は別段賢いわけではありません]
学年一位が何言ってるのかしら、本当に自己評価の低い子なんだから……もう！
[あー！ Aちゃんだぁ！ 来てくれたんだ〜]
[おや、僕達に会いに来てくれたんですね]
[半ば無理矢理ですけれどね]
[いらっしゃい〜。それに、小エビちゃんとウニちゃんも来たんだ]
[だからウニじゃねぇっつってんだろ！]
Aのスマホの音声がぶれたってことはあのウツボ、Aのことを締めたわね！？
スキンシップが激し過ぎるのよ、あの双子は。
次やったら本気で許さないわ……ねぇ、ルーク？
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
