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朝とは一変、エペルは真っ青な顔で目尻に涙を浮かべながらAに謝罪を繰り返していた。
｢ご、ごめ……っ、Aちゃ、ん｣
｢仕方の無いことですし、お気になさらず｣
｢でもっ｣
｢では早々に追加の課題を終わらせて、植物園へといらして下さいな｣
理由はというと簡単で、薬草の名前を覚えるのが苦手なエペルが魔法薬学で失敗し、危険な薬を作ってしまったからである。
ペアのAがそれに気付き、慌ててエペルの作業を途中で止めさせた為に大事には至らなかったものの、もし作業を続行していれば爆発した可能性もあったのだ。
怒り心頭のクルーウェルに昼休憩に残れ、と言われたエペルは顔を絶望で染め上げていた。
とぼとぼと魔法薬学室に歩いていく彼の背中を見送ってから、Aも植物園へと移動を始める。
｢お、A！｣
｢おや、ラギーさんではありませんか。植物園にいらっしゃらないのは珍しいですね｣
｢さっきまで錬金術の授業だったんスよ。だから移動に時間がかかってさ〜｣
お察しの通り、マジフト大会の騒動後もAはレオナとラギーに弁当を作って渡していたのである。
彼女にとって自分の作った料理を美味しそうに食べてもらえるのは嬉しいし、何より癒しになるからだ。
尻尾をゆらゆら動かしながら、耳をぴくぴく動かしているのがとても可愛らしく、動物好きのAからすれば堪らなく愛おしい。
｢えへへ、Aの弁当が楽しみっス｣
へにゃっと破顔したラギーは、Aの手を引いて植物園へと駆け出した。
＊＊＊
ほのぼのとした雰囲気の中でレオナとラギーと昼食をとり、午後の授業でも失敗をすることなく、Aは順調に今日一日を終わらせた。
｢A、エペル｣
｢おや、ヴィルさん｣
｢ヴィルサン！ お疲れ様、デス｣
Aがエペルとヴィルと三人で歩いて帰っていると、後ろから二人分の足音がこちらへと向かって来ているのを耳に捉えた。
嫌な予感がした彼女は、そっとヴィルの制服の袖を掴んで少しだけ引っ張る。
何事かは分かっていないが、彼女から頼られたことにヴィルは歓喜して華奢なその手を優しく包み込んだ。
｢どうしたの？｣
｢嫌な予感が――｣
｢｢居たァ！！｣｣
Aがヴィルの質問に答えようとしたその時、その言葉は二人分の叫び声で掻き消されてしまう。
感じていた嫌な予感が的中したのを悟った彼女は重たい溜息を吐き出して肩を落とした。
｢A、頼みがある！｣
遂にジャックも巻き込み要因と化したようだ。
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
