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｢ねぇAちゃん、今日は泳がな――｣
｢Aー！！ 頼むから手伝ってくれ！｣
｢ほんとに反省するからマジで頼む！｣
｢お願いなんだゾ〜……｣
Aに何か話しをしようとしたところだったのに、エーデュースとグリムに言葉を遮られたフロイドは一気に不機嫌となった。
今までずっと弧を描いていた唇がへの字に曲がり、目の下に影ができる。
｢……あのさぁ｣
｢ヒィっ……！ は、はい！！｣
｢今はオレとAちゃんが話してんの分かんねぇ？ 邪魔すんじゃねえよ｣
｢｢すみませんでした！！｣｣
エーデュースが綺麗に深々と頭を下げ、一瞬でこの場から逃げ出したのを見て気分を良くしたのか、フロイドはAの肩に擦り寄って甘え始めた。
相変わらず気分屋だが、彼女に関することには輪をかけて敏感な気がしてアズールは笑みを深める。
一週間と数日前に、Aがハーツラビュル寮生とオクタヴィネル寮生に絡まれ、暴言を吐かれた事件があったのを覚えているだろうか。
始めは何か揉め事が起きているのを知った為、興味本位で近付いただけ。
しかし、彼女が被害者だと分かった途端に瞳のハイライトを消して歯をガチガチと鳴らし始めたのである。
｢(けど、Aさんが二人を殴って蹴った時は鼻唄を歌う位には上機嫌だった。だが……それと一変)｣
クルーウェル、トレイン、バルガス、クロウリーの四人からこってり絞られた生徒が寮へと戻ってきた時には、薄暗い笑顔で首根っこを掴んで引き摺ると、そのまま絞めてしまったのだ。
付き合いの長いアズールでさえも、あの時のフロイドを思い出すと顔が引き攣ってしまう。
｢Aさんがオクタヴィネルに来てくれたら嬉しいんですけどね……｣
｢急に何です｣
｢アズール天才じゃ〜ん！ それめっちゃいい｣
｢僕も賛成ですよ。Aさんが居てくれれば、寮がもっと華やぐでしょうし、何より嬉しいですからね｣
｢私を転寮させたいのならば、ヴィルさんとルークさんの御二方を説得するのですね｣
｢それ無理じゃん。ベタちゃん先輩とか絶対、Aちゃんに激甘でしょぉ？｣
｢ルークさんも強敵ですね｣
｢……本気にしないで頂けますかね｣
本気でヴィルとルークを説得しようと考えているアズールとジェイドの二人に、Aは思わず呆れて突っ込みを入れた。
彼らなら本気でやりそうだし、フロイドは実力行使をしそうで恐ろしく感じる部分があるのを分かって欲しい。
この二時間後、漸くAは寮へと戻ることが出来たのであった。
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
