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Aの内心は、何だこいつら誰だ、の一言である。
クルーウェルの部屋は廊下の突き当たりにある為、簡単には逃げられないし逃がしてはくれないだろう。
だからといって、一般人に対して強行突破を行なうのも可哀想な気もしなくもない。
｢クルーウェル先生に呼ばれたと思ったでしょ？ 残念、それはボクらが変身した偽物でした｣
｢特待生ちゃんと話してみたくてさ！ ローズハート寮長らと仲良くしてるし、俺らとも仲良くしようよ｣
即断即決で拒否一択である。
リドルやエペル、ラギー、一年生四人組から同じ言葉を言われても嫌悪感を感じないのに、二人から言われると不愉快さが凄まじかった。
沢山の悪意と汚い欲を詰め込んで、表面上は友好的に取り繕っているのが丸分かりで心底気持ち悪い。
クルーウェルに呼ばれていないのならば、時間の無駄になるので早々に図書館へと戻りたいと感じて、Aは二人を無視して横を通り過ぎようとした。
が、しかし、ハーツラビュル寮生が彼女の右腕を掴み、思い切り引っ張って壁に押しやったことで阻止されてしまったのである。
｢……何用で｣
｢何でそんなに俺らに冷たいの？ 寮長やケイト達にはあんなに優しいじゃん。俺らにも優しくしてよ｣
｢そうそう、例えば――｣
ニンマリと笑ったオクタヴィネル寮生が吐き出した言葉に、Aは激しい嫌悪感と敵対心を胸に抱いた。
｢……体で、とかさ｣
｢男子校唯一の女子生徒だもんね。寮長とかケイトとか、後はトレイとかとも寝てんでしょ？ 一回くらい俺らとも寝ようよ｣
Aの顔に影ができ、二人が話す度にどんどん怒りが増しているのに気付かないのだろうか。
流石に歴戦の武将である彼女の殺気を放たれれば気絶してしまう為に、必死に怒気へと変換している彼女の優しさが分からないのだろう。
男子校に唯一在籍している女子生徒、そんな名札がついていれば今の様な馬鹿らしい考えを持つ人間もいるだろうとは思っていた。
ただ、その戯言を勝手に現実に起きている事実だと変換し、本人に言ってくる輩がいるだなんて。
しかも相手は"あの"AAだというのに、どうやら二人は素晴らしい度胸と腐った目を持っているらしい。
｢女の武器なんてどうせ体しかないじゃん。なぁ、いいだろ？ ｣
ハーツラビュル寮生の左手が腰に回される。
Aが最も嫌っている言葉『女の武器は体だけ』を発した男を殴ろうとしたその時、何故か彼らは壁を突き破りながら外へと吹き飛ばされていったのだった。
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
