3 ページ24
Azul side
｢Aちゃーん、一回転しよぉ！ くるって！｣
｢はいはい｣
｢ひゃっほ〜！ ねぇねぇ、今度はオレ立ってみたい｣
｢それはご自分でどうぞ。ジェイドさんと交代して下さい｣
ぶーぶー文句を言っているフロイドを怒らすことなく交代させる手腕は凄いですけど、ジェイドは今にも吐きそうな表情してますからね。
気付いていますか、Aさん。
｢……っ、う、こわ｣
｢怖くなどありません｣
｢地面が遠いです……！｣
｢空を飛んでいますからね｣
最初はぎゅうっとAさんの首に腕を回していたジェイドでしたが、次第に慣れたようで周りの景色に目を向けれる程度には余裕が出たらしいです。
普段笑顔を崩さないジェイドですが、今は素の笑顔を浮かべて瞳をキラキラさせてますね……珍しい。
やはりAさんにはオクタヴィネルに転寮してもらい、双子のお目付け役をしてもらいましょうか。
｢ねぇジェイド、空はAちゃんの目の色だったでしょ？｣
｢ええフロイド、実に綺麗な色でしたね｣
凄く楽しげな二人と反対に、僕の気持ちは重たくなるばかりですよ。
フロイドは兎も角、ジェイドも面白いもの好きなところがありますが、僕はそんなことないですからね！
｢さて、アズールさん｣
｢わ、分かっていますよ！｣
というか貴女、後ろから異性にここまでくっつかれても平気なんですね！？
もうやけくそになった方が楽な気がしてきました……寧ろこういうのは変に間を空けるよりも、ぴったり密着した方が安心感ありますもんね。
｢貴女、細過ぎません？ 僕が力入れたら折れそうで怖いのですが……｣
｢人間の体がそう簡単に折れるわけないでしょうに｣
凄く呆れられてますけど、貴女に抱きついた人は皆こう思いますよ、コレ。
ふわっと体が浮く感覚がして、どんどんと今までにない高さまで上昇していくのと同時に恐怖心が湧き上がってきました。
｢……っ、むりでっ、こんな高さっ！｣
｢胸を張りなさい、顔を上げて周りを見なさいな。海と違って空に外敵はいない分、楽に思えると思いますよ｣
思い切って顔を上げたら、水面のような鮮やかな青色の空に、ふわふわと漂う白雲が目に入ってきました。
あぁ、成程……フロイドとジェイドが、空は"Aさんの右眼の色"だと言っていた理由が分かります。
｢……ははっ！｣
そう思うと恐怖心も薄れ、僕も何時の間にか笑ってしまいました。
授業でも上手く飛べましたし、彼女への御礼は何にしましょうかねぇ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1418人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
