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翌朝。
ポムフィオーレ寮の前まで彼女のことを迎えに行ったレオナは、般若を背負ったヴィルと氷の笑みを浮かべているルークに捕獲された。
後ろの方でちょこんと立っているAに救いを求めたが目を逸らされてしまい、彼女も昨日散々説教されたのだと悟る。
｢で、何でAがアンタの国に行くのよ。ラギーは一緒じゃないって聞いたし……目的は何なの？｣
｢マジフト大会の時の礼だ。ネックレスやったら要らねぇって返されたから、何がして欲しいか聞いたら俺の国を案内して欲しいんだとよ｣
｢はぁ！？ あの子、アンタが用意したネックレスを突き返したの！？｣
｢色帯の見えねぇ純粋な緑を選んで、カラットもでけぇの選んだんだがな。お前のとこの姫様は、どうやら宝石よりも知識が欲しいらしい｣
｢それが雪の女王の美点さ、獅子の君！｣
額に手を当て、深い溜息を吐き出したヴィルの内心を理解出来たのはルークだけであった。
宝石などの高級品よりも、異世界の知識を求めるところは彼女らしいといえばそうだろうが、貴重なエメラルドを見て一瞬で要らないと突き返すのもなかなかだ。
礼儀正しく、礼節を重んじているAであるが、変なところで礼儀知らずとなるらしい。
レオナに手でこいこいとされ、素直にAは少ない荷物を持って駆け寄った。
｢つーわけで、Aは貰ってく｣
｢〜〜っ！ 分かったわよ。ただ、Aに何かしたらポムフィオーレ寮生全員から殺される覚悟、……しておきなさい？｣
ヴィルの脅しを鼻で笑い、蹴り捨ててからレオナはAを連れて鏡の間へと歩き出した。
＊＊＊
鏡を潜り抜け、夕焼けの草原へと移動したAは、絶対に日本では見ることの出来ない景色を目の当たりにした。
人が行き交い、静寂を知らないメインストリートに、街を賑わす大きな商店街。
その道の先には豪華絢爛で立派な城が佇み、街や人々を見守っている。
彼女が辺りを見回し、見慣れない文化に目を輝かせているのを見て、レオナは嬉しそうに喉の奥で押し殺すように笑った。
｢取り敢えず、帰ってきたことを知らせなきゃなんねぇ。城に行くぞ｣
｢私もでしょうか｣
｢当たり前だろ。お前を慣れない土地に放置するわけねぇだろうが｣
はぐれないようにと理由をつけてAの手を握ると、その小ささと細さ、頼りなさにレオナは内心驚く。
それを悟られないようにして、彼は自宅でもある王城へと向かって移動を始めた。
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
