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肩を掴む手はそのまま、レオナは哀願を含ませた瞳をひたすら彼女へと向けていた。
｢分かってくれてんのに何でッ………………あー、もういい｣
肩をギチギチと音が鳴る程に強く掴まれ、彼の瞳に強い熱が灯っているところを見ると、彼の言葉が本心ではないことは一目瞭然である。
Aがほんの少しだけ怪訝な表情を浮かべた時、ラギーが呆気に取られたような声を零した。
｢えっ？｣
｢やめだ、やめ｣
｢ちょ、レオナさん？ それってどういう……｣
｢バーカ。マレウスが五体満足で試合に出るなら、俺達に勝ち目があるわけねぇだろうが。そんな試合に出たって意味ねぇよ。俺は降りる｣
｢そ、そんな！ マレウスは兎も角、他寮の有力選手は皆潰してきたじゃないっスか。なのに、レオナさんが出ないだなんて、三位にだってなれるかどうか……オレ達の夢はどうなるんスか？｣
ラギーの言葉に賛同して、後ろで控えていた寮生達が次々にレオナに声を大にして叫び出した。
所詮ラギーはゴミ溜め育ちのハイエナで、自分はどれだけ才能があろうと永遠に王にはなれない嫌われ者の第二王子でしかないのだと。
そう怒鳴り捨てているレオナだが、彼の傍にいるAからすれば全く本心ではないと感じていた。
本心ならば、何故こんなにも悲しげな瞳をしている。
本音ならば、何故こんなにも己の発言で苦しそうに顔を歪めているのだ。
未だ尚、肩を掴んでいるレオナの手首を握り締め、引っ張ることによって彼の視線を向けさせたAは左手を彼の頬に添えた。
｢あぁ……面倒くせぇ。黙れよ雑魚共ッ！｣
｢話を聞きな……っ、駄目です。レ、オナさんっ｣
Aがどうにかして話をしようとしたが、その努力は虚しく終わってしまう。
レオナを中心に砂が舞い上がり、それによって眼球や口の中がカラカラに乾いていく感覚に襲われた。
誰も彼もが苦しそうに喉を押え、意味も分からず込み上がってくる渇きから逃れようと必死となる。
｢レオナ先輩が触れたものが全て砂に変わっていく……！？｣
｢これが俺のユニーク魔法……『
｢レオナ……さ……っ苦し……ッ！｣
｢……っ、デュースさん受け取りなさい！｣
Aはラギーの腕を左手で掴むと、急いでデュースへと押し飛ばした。
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
