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レオナの策に加担する者でもなく、ユウ達のように犯人探しを行う者でもなく、ただ一歩離れた所から傍観に徹していたことで分かったことがある。
それは双方のマジフトに対する認識の齟齬だ。
｢貴方達にとってマジカルシフトは勝負事、けれどユウさん達からすればスポーツ。そこに差があるので善悪が生まれたのでしょうね｣
｢はっ……それでお前は、俺らの目論見をあいつらに伝えて一件落着ってか？｣
｢いえ、伝えませんけれど｣
嘲るような、諦めるような薄い笑顔を浮かべていたレオナがその発言に驚愕した。
レオナとラギーの画策した内容をハーツラビュルの彼らに伝え、事件解決の手助けをするのが普通なのかもしれないが、生憎相手はAなのである。
彼女からすれば、どちらの言い分も正しく、また間違いでもあったのだ。
｢私ね、戦争の頻発する国で生きていました｣
戦争というか、戦というか。
この場合は内乱と言った方が正しいのかもしれないが、身近に戦争というものがない国で生まれ育った彼らには噛み砕いた方が分かりやすいだろう。
現に、意味が理解出来た二人は愕然としているのだから問題無しである。
｢それこそ毒を仕込まれたり、刺客……暗殺者が送られてきたり、毎日生きるか死ぬかの応酬でした。理由としては簡単です。私が戦況をひっくり返し、左右する場面が多々あったから｣
｢……お前を殺せれば、戦争を優位に進められる可能性が高くなるってことか｣
｢ええ、その通りです。逆に私達も同様に、相手の戦力を減少させ、国一つを一日で落としたこともあります｣
あまりにも殺伐としている内容に、ラギーは顔を真っ青に染めて恐る恐る話を聞いているようだ。
レオナは一国の王子として多少の知識はあるものの、資料に記されたものと体験者から語られる話では重みが違ったのだろう。
彼もまた、顔色は良くはなかった。
｢纏めますと、貴方達はマジフト大会を戦だと判断したから今回の事を画策しました。けれど、ユウさん達からすれば所詮はスポーツ、他人を蹴落としてまでするものではないと認識しているのです｣
だからこそ、Aはどちらの味方にもならないし、どちらの敵にもならない。
レオナの考えも理解出来るし、ユウ達の正義感も理解が出来るからだ。
もしプロの選手になった時、こんな裏工作は出来やしないと考えると世間一般的にはユウ達が正しいのだろう。
｢なれど、私は、やはり普通ではないので｣
"スポーツ精神"には馴染めないのだ。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
