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｢あはぁ、オレらのことAちゃんが心配してくれたのが嬉しくて〜｣
｢ふふふ、ご心配なく。僕らは今のところ無事ですし、何かあれば連絡しますね。一緒に報復に参りましょう｣
｢連絡はお願いしたいですが、報復はお好きにどうぞ｣
最後にフロイドから左頬に、ジェイドから右頬に口付けを贈られてからAは双子から解放されたのだった。
＊＊＊
｢はぁ……怖かったんだゾ。何なんだ、アイツら？｣
｢ボクに聞かないでくれ。一年の頃からあの二人は得体が知れなくて苦手なんだ｣
｢あの二人は攻撃したら報復が怖そうなカンジだね。よしAちゃん、ほっぺ消毒しよっか〜。けーくんとこにおいで？｣
ズボンのポケットから取り出されたハンカチで、ケイトからこしこしと頬を拭われる。
別に汚いだなんて思ってもいないのだが、彼からすれば何かしら気に入らないことがあるのだろう。
一通り拭いて満足したのか、ケイトはスマホを取り出したマジカメのアルバムの中にある一枚の写真を見せつつ説明を再開した。
｢じゃあ、そろそろ日が暮れそうだし、次は最後のけーくんチェック。サバナクロー寮のジャック・ハウルくん、一年生。運動神経抜群で、ありとあらゆる運動部からスカウトが殺到してるって噂｣
｢この時間ならもう寮に戻ってるかもな｣
｢ああ、もう五時か。ハートの女王の法律・第346条、午後五時以降は庭でクロッケーをしてはならない。ボクは一旦寮に戻るよ。目を離すとルール違反をするヤツがいるからね｣
リドルの厳格さも、随分と丸くなって他人から受け入れやすい程度にはなったようだ。
寮へと戻って行くリドルの背中を見送ってから、A達はサバナクロー寮を訪ねる為に鏡舎へと向かう。
寮へと繋がる鏡を潜り抜けると、目の前にはアフリカにありそうな光景が広がった。
｢おぉ〜。ここがサバナクロー寮か｣
｢ゴツゴツした岩みてぇな建物だ！ あそこにあるでけー骨、何の骨だ？｣
｢ウチの寮とは全然雰囲気が違うな｣
｢それなー。何か、超野性味を感じるっていうか？ もう空間そのものがワイルドだよね〜｣
｢で、ジャックだっけ？ どんな奴なんスか？｣
｢褐色肌に銀髪。狼っぽい耳とフサフサの尻尾がトレードマークらしい｣
｢ジャックさんは真面目でストイックな方ですからね。多分ですけれど、今は庭で走っていらっしゃると思いますよ｣
Aの言う通り、ジャックは寮の庭で一人走り込みをしていた。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
