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｢あー！！ オレのおかず！！｣
｢ほぉ……うめぇじゃねぇか。おいA、俺にも明日から作ってこい｣
｢構いませんよ｣
レオナにおかずを盗られてしゅんとするラギーを放っておけず、Aは自分の弁当箱から甘めの玉子焼きをあげた。
途端に瞳を輝かせながら、耳をぴんっと動かす彼に可愛らしさを感じてしまう。
｢(……あの耳、触りたいです)｣
Aがそう思っていることなど知らずに、ラギーとレオナは軽い言い合いを始めていた。
＊＊＊
放課後、図書室へと向かっていたAであったが、とある内容の電話がかかっててきたことによって方向転換する。
呼び出された先はハーツラビュル寮。
寮へと続く鏡を潜り抜け、バラの迷路を通り抜けていくと、道の先には電話をかけてきた彼が普段の笑顔と共に立っていた。
｢やほ、Aちゃん。急に呼び出してごめんね〜｣
｢構いませんが……何か火急の用でもありましたでしょうか｣
｢うん、ちょっとね。Aちゃんの力を借りたいんだ｣
苦笑いをしているものの、彼の翡翠の瞳は真剣そのものである。
大人しくケイトについて歩いて行くと、誰かの部屋へと案内されて中へと通された。
彼女が登場したことに部屋の主は盛大に驚いており、口元まで運んでいたティーカップを落としそうになっている。
｢A！？ ケイト、お前が呼んだのか？｣
｢そうそう！ やっぱりお見舞いは可愛い女の子にして欲しいかなぁってね、けーくんからの心遣いだよ｣
｢可愛くはないです｣
そこを全力で否定するのか、とトレイとケイトは思わず苦笑を漏らした。
そんな中、Aは自分が此処に呼び出された理由を考え込んでいる。
エースやデュースならば自分で勝手に怪我をしたというのも考えられるが、生憎トレイはかなりのしっかり者だ。
ケイトの協力して欲しいことが、怪我を治して欲しいというものではない気がしてきたAは重たい溜息を吐き出した。
すると、部屋の扉がノックされる音と共に明るく元気な声が四つ聞こえてくる。
｢失礼しまーす｣
｢クローバー先輩、大丈夫ですか？｣
｢おう、眼鏡！ シケたツラ拝みに来てやったんだゾ！｣
｢あれ、エーデュースコンビじゃん。それにグリちゃんとユウちゃんまで勢揃いで｣
｢どもっす……って、ケイト先輩。そのエーデュースって何？｣
｢え？ 二人共"ス"が名前の最後につくから纏めてみただけ｣
｢横着しないで下さいっ！｣
一気にトレイの部屋は騒がしくなった。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
